松尾スズキ
穏やかで優しい松尾スズキ!? 最新刊「東京の夫婦」インタビュー
年の差20歳。演劇界の鬼才・松尾スズキが再婚した。お相手は、普通自動車免許を持つ、芸能界とは無縁の女性。そんな二人の結婚生活を綴った、雑誌『GINZA』の人気エッセイ「東京の夫婦」をcakesでは週2回、月曜と木曜に掲載していますが、この連載33回をまとめた単行本が8/10に発売されました。著者インタビューをお届けします。(Text:Tomoko Kurose Photo:Keizo Iwamoto)
——なぜ、「東京の夫婦」というテーマでエッセイを書こうと思ったんですか?
僕は福岡県北九州市で、奥さんは茨城県土浦市出身なんですけど、全く別の場所で生まれた人たちが東京出会って、東京で夫婦となり暮らすって、改めて面白いなと思ったんです。東京は、圧倒的にそうして生まれた家族が多い街。結婚をきっかけに、奥さんが、会ったこともない、九州の僕の母の介護をしなくちゃいけなくなることとかも含めて書いてみたいと考えたんです。
——連載は毎回、奥様に最初に見せているんですか?
いや、特には。ただ、校正チェックのFAXとか、家に送られてくる掲載誌で読んでいるみたい。
——奥様はどんな感想を?
「私、こんなこと言ってない!」って(笑)。雑誌の連載は決まった文字数におさめないといけないから、言葉を変換せざるを得ないんですよ。要約すると同じ意味ではあるんだけど、俺の、ちょっとした誇張や省略が気になるみたい。ものすごくきっちりした人なので。
——きちんとしているからこそ、松尾さんの苦手なあれこれを一手に引き受けて、頼りにされているんですよね?
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この連載について
松尾スズキ
東京で家族を失った男に、東京でまた家族ができた。夫は、作家で演出家で俳優の51歳。妻は、31歳の箱入り娘。 ときどきシビアで、ときどきファンタジーで。 2014年に「普通自動車免許を持った一般の女性」と再婚した松尾スズキさんがその結婚...もっと読む
著者プロフィール
1962年福岡県生まれ。作家、演出家、俳優、脚本家、映画監督。88年に「大人計画」を旗揚げし、97年『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』 で第41回岸田國士戯曲賞、2001年ミュージカル『キレイ’—神様と待ち合わせ下女』で第38回ゴールデンアロー賞、06年『クワイエットルームにようこそ』が第134回芥川賞候補作となり、’08年には、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で第31回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞、’10年『老人賭博』で第142回芥川賞候補。
今年の8月10日から10月7日まで、東京、名古屋、大阪、福岡、松本、パリで大人計画の最新公演「業音」を作、演出、出演。 メルマガ「松尾スズキの、のっぴきならない日常」http://www.mag2.com/m/0001333630.html