便利さが生み出したもの
今回のテーマは「既読スルーはするが、既読スルーされるのは嫌」だ。
まことに便利な世の中になった。しかしどう考えてもコミュニケーションツールの数だけ悩みが増えてしまっている。
その昔「ポケベルが鳴らなくて」という歌があった。なんでポケベルが鳴らないことに悩んで歌まで作ってしまう事態に陥ったかというと、ポケベルができたからだ。その前はそんな悩みは存在しなかった。よってLINEに関する悩みもLINEが台頭する以前はなかった。そして、もう一つの要因は「LINEをする相手がいた」ということである、これはポケベルでも同じことだ。
もし、相手の友人の喉元に匕首(あいくち)を押し付けて聞き出した、ポケベル番号に一日100万回何を送っても返ってこないと言うなら、また別の病(ビョウ)を発症しているので、通院か出頭をおすすめする。しかしそれ以外の場合は、既読スルーされるのは、まずLINEをやりとりするような相手がいたからに他ならない。
つまり、このコミュニケーションツールが発達、複雑化している世の中において「コミュニケーションする相手がそもそも存在しない」というのは、病(ビョウ)を未然に防ぐ「手洗い・うがい」に匹敵する、心の風邪の予防策なのである。
よってLINEのやり取りをするような相手を作っておきながら、スルーされただの騒いでいるのは、全裸で寒中水泳しておきながら「喉がいがらっぽい」などと言っているに等しい。
既読スルーされている側の行く末
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