ケチケチ節約術より、固定支出カットが早道
お金を貯めるには、出ていくお金(支出)を抑えなければなりませんね。
家計相談にのっていると、みなさん細かい節約に励んでいるのになぜかお金が貯まらないというお悩みが多いのです。ですが、私からすれば、ずいぶん遠回りをしているなあ、と非常にもったいない気持ちになります。
まず、支出の内容は2種類あるということを覚えましょう。
毎月支払額がきっちり決まっている「固定支出」と、月に応じて支払額が変わる「流動支出」です。
・ 固定支出:家賃、生命保険料、新聞代、など。
・ 流動支出:食費、光熱費、など。
残念なことに、ほとんどのみなさんは固定支出を気にしません。毎月一定の金額がごっそり消えていくのに、減らせるなんて思ってもみないのです。
逆に、やりくりで低く抑えられるかもしれない流動支出にばかり目がいきがちです。
よく雑誌などに載っている節約ややりくり術というのは、食費や光熱費などの、金額が毎月変わる流動費部分に取り組むことなのです。
やりくりの出来に左右されるのですから、安定した効果は望めませんよね。
一方、固定支出は毎月決まった金額だけに、一度そぎ落とせば、その分は安定した結果が伴います。
裏を返せば、固定支出はカットしないかぎり、あなたから永遠にお金を搾取しつづけるものだともいえます。
ちなみに流動支出であっても、使わなくても必ず支出が発生するもの、つまり携帯電話の基本料金とか、インターネットのプロバイダ料金も、固定支出として意識する必要があります。
使わないお金を増やして収入アップするには、固定支出から優先的にカットができないかを検討することが先決です。
それには、まず固定支出とは何なのか、どうして支払っているのか、その背景に何があるのか、自分できちんと納得しなければなりません。
便利なモノやサービス、情報があふれる現代社会。
私たちはそれらの便利さ、手軽さに当たり前のようになじみ、生活しています。一度知った便利さへの欲求は尽きることなく、世の中の進化は劇的なまでのスピードで加速していますよね。
ただその加速感は何かを引き連れているように感じられます。
それはどちらかというと、即座には信用できないというか、本質が見えづらいもの。色でたとえると、グレーな雰囲気のものです。