母ちゃんが好んで買ってくるやつよりウマイ、手作りクッキー。
『宇宙兄弟』14巻・#139『わたしの両手』に登場するクッキー。髪の毛を切ってもらっているキッチンのテーブルの上に調理の跡が見られるので、もしかしたら兄弟と一緒に作ったのかもしれない。
我々の両手を使ってくださればいい。
クッキーやうどん作り。ムッタやヒビトの散髪。大好きなピアノと、兄弟とのセッション。2人の活躍の記事をスクラップするためハサミを握る手。
夫と早くに死別し、自分の子供を抱き上げたりおむつを替えたりご飯を食べさせてあげることができなかったシャロンの手。
兄弟に何かをする、せめてその時くらいは母親の手でありたい。手だけではない。シャロンはいつだって南波兄弟にとって母親のような存在なのだ。
パニック障害を周囲に隠して帰国しシャロンの元を訪れたヒビト。ALSと闘っているシャロンを前に自分の病気を告白することを躊躇ったヒビトだったが、シャロンはヒビトの様子に気づき優しく問いかける。
何か話したいことがあるんじゃないの?
子供のころから何か悩んでいるときに必ず出るヒビトの癖。 パニック障害のことを話し終え「治るかどうかは人による」と言うヒビトにシャロンは言う。
じゃあ治るわよ。ヒビトなんだから
ヒビトも闘ってるのね
続けてムッタに言わないで欲しいというヒビトに、シャロンは察して伝える。
大丈夫。わかってる。ヒビトはずっとそう。
何があってもムッタの前には何事もなかったみたいに戻りたいのよね。
子供のころから見てきた息子たちに、シャロンは自分が大変な病気の時でさえ優しく励ます人なのだ。
ALSの診断が下され日々の生活が変化し、できないことが増えていくシャロン。今までしてきたこと、できたことが出来なくなっていく―…。人前ではずっと明るく笑顔を絶やさず誰かを励まし続けてきたシャロンが一人部屋で泣くシーンには胸が押し潰されそうになる。それでもシャロンは今自分にできること・やらなければならないことを行動に移していく―。
アメリカの学会で出会いシャロンと同じ夢を持つモリソン博士が、月面望遠鏡の計画を引き継ぐためシャロンの元を訪れた。一人一人の夢が集まり、〝みんなの夢″として実現させるために。
シャロン博士の夢の部分にならば多少の貢献はできるでしょう。
我々の両手を使ってくださればいい
14巻はシャロンのALSの進行、パニック障害で一人悩み続けるヒビトなど本人たちの苦しみや辛さが痛いほど伝わってくる一冊だが、それぞれが相手の、自分の未来の為に何ができるのか、手を差し伸べできることを模索し進んで行く印象深い一冊である。
材料(50枚程度)
薄力粉250g/バター100g/砂糖80g/卵1個/ココアパウダー10g
作り方
1 薄力粉をふるいにかけます。細かくなるよう何度かかけておきましょう。薄力粉のうち120gはココアと一緒に混ぜておきます。卵はしっかりと混ぜておきましょう。 バターは室温に戻しておきます。
2 常温のバターをしっかりとなめらかになるまで混ぜます。砂糖を2、3回に分けて入れ、その都度よく混ぜ合わせます。
3 同じように卵も2、3回に分けて入れ、しっかりと混ぜ合わせます。
4 3を半分量に分け、プレーン生地とココア生地に分けます。プレーンの方はふるった薄力粉を130g加え、しっかりと粉っぽさがなくなるまで混ぜていきます。もったりしてきたらOK。
5 同じく半分に分け、もう片方には1でココアパウダーと混ぜてふるった薄力粉を入れ、馴染むまでしっかりと混ぜ合わせましょう。4と同じくもったりしてきたらOK。
6 それぞれひとまとめにしてラップでくるみ、1時間ほど冷蔵庫で寝かせます。
7 オーブンを170℃に予熱します。打ち粉をした台の上に生地を置き、麺棒で厚さ約5mm程になるまで伸ばし、型抜きしていきます。☆土星は円を使いながら上下切り分け、細く伸ばした環の部分を間に入れて上の方に囲むようにくっつけます。☆三日月は円で抜いてから位置をずらして抜き、先の細い部分を丸く整えます。☆余った生地同士は適当にこねて伸ばし、円で型抜くと木星のようにできます。こねすぎると均一に混ざってしまうので、適度なコネ具合にしておきましょう。
8 オーブンシートを敷いた天板の上に型抜きしたクッキー生地を並べ、170℃のオーブンで13~15分程度焼き、完成!
シャロンとの約束を守るため。
シャロンの為いち早く月面へ行きたいと願うムッタだったが、ISS行きを断ってしまったために技術部門へと異動させられる。ここでとにかく何らかの成果を出すこと、とビンスからそっと伝えられたムッタは、その言葉と開発部署の壁に大きく垂れさがっているNASAの熱意を描いたような垂れ幕に覚悟を決める。
自動車開発会社をクビになり業界からも締め出されたしたムッタだったが、奇しくもNASAに来て最初にする仕事は自動車開発となった。
ここで結果を残すこと、そして上司であるバトラー室長に自分の存在・実力をアピールすること。サラリーマン時代を思い出しながらムッタはバギーの改良を進め、バトラー本人が得意としていた高難度航空技・バーティカルクライムロールを会得すべくヤンじいの元で訓練を積み重ねていく。