昭和歌謡とジャズの系譜
大谷ノブ彦(以下、大谷) 今回もゲストはぼくのりりっくのぼうよみさんです!
ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり) よろしくお願いします!
柴那典(以下、柴) 前回「たぶん、僕、あんまり音楽好きじゃなくて」、大谷さんが「ぼくりりさんがどういう音楽のバックボーンなのかわからない」と言っていたじゃないですか。僕、一つの仮説として、ぼくりりさんの好きな音楽に何らかの共通点というか、系譜があると考えているんですよ。
ぼくりり え〜、なんですか!?
柴 というのも、まず水曜のカンパネラの「メロス」が最近のお気に入りだという話を聞いたんですけれど。
ぼくりり あー、そうです。あれ、めちゃいいですよね。
大谷 最高だな。モンゴルでMV撮ってるんですね。
柴 いままでの水カンも聴いてました?
ぼくりり 結構聴いてました。
柴 けれど、この曲でグッと来た?
ぼくりり そうですね、来ましたね。こういうの、ありそうでなかったんで。
柴 この曲ってジャズ・ブレイクスなんですよ。
ぼくりり ジャズ・ブレイクス……。そういうジャンルってことですか?
柴 そうそう。90年代末くらいからある言葉なんですけれど、その前からジャイルス・ピーターソンみたいにジャズをDJとかクラブ的な解釈でとらえた人たちの一派がいて。そういう人たちがやっているクラブ・ジャズの系譜にあるのがジャズ・ブレイクス。
ぼくりり なるほど。
柴 で、「after that」はニコラ・コンテが作曲してるんですけれど、彼もジャズ・ブレイクスの一派なんですよ。ニコラ・コンテ、好きでしょ?
ぼくりり 好きです。
大谷 なるほどなあ。
柴 あと、小さい頃にお母さんの影響でEGO-WRAPPIN’が好きだったという話を聞いたことがあって。
ぼくりり そうですね。聴いてました。
柴 EGO-WRAPPIN’もそうなんだけれど、ジャズそのままじゃなくて、それをクラブ・ミュージックっぽくしたり歌謡曲っぽくしたりしている。そういう風にジャズを下敷きにしてるポップソングが好きな音楽の系譜としてあるんじゃないかって思ってるんです。そのあたりどうですか?