「料理より食べ歩きが好き」という罠
家事といえば、掃除・洗濯・料理が主ですが、掃除については「普通」にできていれば十分。「洗濯」も同じです。ただし料理については「上手かどうか」でかなり異性に対するアピール度が変わってきます。料理が上手な女性は、それだけでモテると断言できます。
人間の三大欲求とは、ご存じの通り、性欲・睡眠欲・食欲。その3つを満足させることで、人間は相手を惹きつけ、それを持続することができます。睡眠欲はひとりでも満足できる質や時間を確保することが可能ですが、パートナーがいれば性欲も常に満たされます。
食欲について「ひとりで好きなものを食べればいい」「食べ歩きをすればいい」と思われるかもしれませんが、恋人と一緒に食べる、恋人においしいものを作ってもらう、というシチュエーションになると、「ひとり」のときよりも、快感と満足度が増すことは明らかです。好きな人と一緒に食事をしたほうが、ひとりのときより楽しく、おいしく感じることは誰でも経験していることでしょう。
昔から「男性を捕まえるなら胃袋をつかめ」と言われます。三大欲求のなかで、性欲と食欲の2つは、女性が男性に与えることが可能なものなのです。
今こそ大人の女性の出番。ここは、「確実に20代に勝てる」強いポイントです。
女性に恋人ができて、まず相手に提供できる三大欲求は「性欲」です。けれど、食欲については、性欲を提供した後になるのが普通でしょう。自宅あるいは相手の家で料理を作ってふるまう、というのは性的な関係ができた後である場合のほうが多い。
相手との関係を深めたいと考えるとき、「満を持して」出した料理が「え!!!」とのけぞるようなぐちゃぐちゃの「肉じゃが」だったり、100グラム・2000円のデパ地下で買った肉をガチンガチンに焼いたステーキ(自称)だったりしたら、どんな男も引いてしまいます。しかも、女性が20代後半や30代だったら「カワイイ」などと思ってくれる男性はいないでしょう。
ちょっと古めかしいかもしれませんが、パートナーのためにも、自分のためにも、忙しいと言い訳せずに「料理」は身につけておくほうがいいと思います。
専業主婦にならなくても、料理は人間関係をよりよいものにしますし、いいきっかけを作り、それを深める最良のツールだからです。おいしいものを一緒に食べるだけで、男女に限らず人間関係の距離は縮まります。料理は同時進行や料理でしか行わないような新しい手作業が多いですから、脳を鍛えるのにも効果的と言われます。(東北大学川島隆太教授)