あなたの毎日がつまらないのは、哲学を知らないから?

自殺の名所、北尋訪で出会った青年ひろと謎のゾンビ。ゾンビの正体とは? そして、なぜゾンビは青年に哲学を勧めるのか? 書籍『(推定3000歳の)ゾンビの哲学に救われた僕(底辺)は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。』より特別連載です。

【序章】青年ひろとゾンビ先生の出会いー後編

 それからどれくらい時が経っただろう?
 ひろが目を覚ますと、そこは変わらずみすぼらしい小屋の中であった。足元ではたき火が燃え盛り、静寂の中に木の音を弾かせている。

「目を覚ましたか、ひろよ」

 声に目をやると、自称ゾンビ先生が心配そうにひろをのぞき込んでいた。

「驚かせて悪かったな。まあ無理もない。ゾンビを見るのは初めてじゃろうからな」

「イタタタ……。な、なにを言ってるのさ。ゾンビなんているわけないだろ! さっき僕が見たのは……、そうだ、夢だ! あれは夢に違いない。そしておじさんは森に住む変質者に違いない」

「なんじゃおまえ~、まだわからんのか? ではこれならどうじゃ」

 言うとゾンビ先生は、たき火の中から尖った枝を1本取り出した。先端にまだ小さく炎が残るその枝を、ゾンビ先生はおもむろに左の眼球に突き刺す。

「な? 人間だったらこんなことできないじゃろ? わしはゾンビだから、眼球が鋭利な枝で貫かれても全然平気なんじゃよ」

 老人は眼窩の奥深くまで枝をねじ込むと、てこの原理を使ってそのまま眼球をグリンと抜き出して見せた。枝から伝わる高熱でドロドロと溶ける眼球を、眼窩の黒い空洞が見つめている。
 ひろは再び気を失った。

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ゾンビの哲学」に救われた僕は、クソッタレな世界をもう一度、生きることにした。

さくら剛

さくら剛の超・哲学入門! 「とっつきにくくて、わかりにくい」、「でも、人生の役には立ちそう」。本書は、そんなやっかいな哲学を「冴えない青年“ひろ”が、古代ギリシア生まれの哲学者“ゾンビ先生”から学んでいく物語」です。哲学とは? この世...もっと読む

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