美女入門

恋の野心を阻む最大の危機とは

anan連載の名物エッセイ「美女入門」。シリーズpart15となる最新刊『美女は飽きない』もおかげさまで絶好調! 林さんのパワフル・エッセイの原点を探るシリーズ、今回は「美女入門」part5『美女に幸あり』(単行本、文庫本共に発売中)から、2002年の1編「男と女のセオリー」をセレクト。恋心とダイエット心のスリリングな駆け引き、果たして恋の野心に燃える女心の天秤は、どちらに傾くのでしょうか!?

それは今年の春のことであった。

 ある会合に出た私は、一瞬、息が止まり、そして心の中で叫んだ。

「世の中に、これほど私好みの男がいたのだろうか!」

 ご存知のように、私はかなりの面クイである。が、ただのハンサムじゃ駄目。知性と品があり、端整な顔というのが条件である。そのA さんは、古風な顔立ちの美男子で、やや神経質そうなところも私好みであった。

 会合の間中、私はうっとりと彼の横顔を見つめた。

「キャッ、なんて素敵なんでしょう。でもちょっと怖そうかも。超エリートらしいから、近づけないよね」

 そんな話を友人にしたところ、彼は何の屈託もなくA さんに伝えたらしい。

「ハヤシさんが、もろタイプって言ってるよ。ものすごく好きな顔なんだって」

 そうしたら向こうの方から、一度お食事を、ということになり、私の友人と三人で会った。そして二度、三度と会っているうちに、季節はもう冬である……。

 私はつくづく自分のトシと、ヒトヅマという立場を思ったわ。昔はこうじゃなかった。ちょっといいナァと思ってから、恋人になるまで一ヶ月を要しなかったと記憶している。

 もちろん私は、モテる女ではなかったけど、それでも独身後半となると、そうムダ玉はうたないようになった。私なりのセオリーというものも確立していた。

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努力のすえに手に入れた美女生活!グルメに恋にダイエット…人生に飽きているヒマはないのです!

美女は飽きない

林真理子
マガジンハウス
2017-06-22

この連載について

初回を読む
美女入門

林真理子

ついに1000回を迎えた、アンアン連載「美女入門」。1997年の第1回には、こんな一文があります。「キレイじゃなければ生きていたってつまらない。思えば私の人生は、キレイになりたい、男の人にモテたいという、この2つのことに集約されている...もっと読む

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