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森奈津子芸術劇場 開幕記念インタビュウ

小説家・森奈津子さんのSF作品が、Zu々プロデュース「森奈津子芸術劇場」として舞台化されることになりました。今月末からいよいよ開幕となることを記念して、森さんとプロデューサーの三宅優さんにお話を伺います。



森奈津子芸術劇場 第一幕 ∼パトス編∼

『哀愁主人、情熱奴隷』『いなくなった猫の話』
2017年7月28日(金) ∼ 8月1日(火)  紀伊國屋ホール
【公式サイト】 【公式twitter】

—森奈津子さんの短篇「いなくなった猫の話」と「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」が舞台化されるということで、稽古を見学された森さんにお話をうかがいます。ご自身の作品の舞台化は初めてですよね。

 はい。作家の田中啓文さんと月亭文都さんの企画で、2本ほど新作落語の台本は書いたことがあるんですけど、舞台は初めてです。

—最初に話が来たときはいかがでしたか?

森 実感が湧きませんでした。「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」は96年刊行のアンソロジー『SFバカ本』掲載で、「いなくなった猫の話」はウェブ雑誌のSFオンラインで99年の発表でしたが、編集者やイラストレーター、デザイナー、取次の人、書店員、いろいろな人の手が加わって完成して。それから20年たって、また多くの人に関わってもらえるとは、えらいことになったなと(笑)。今日の稽古で杉本彩さんをはじめ、大勢の役者さんやスタッフの方にお目にかかって、ようやく実感できたなというか。

—「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」はドタバタ喜劇、いっぽう「いなくなった猫の話」は泣ける良い話という、森作品のなかでも両極端な2本が同時に上演されます。

森 バランスがとれていいかという気はしますね。原作を読んでいない方にも、私がどういうものを書いているかをご理解いただけるかと思いました。「いなくなった猫の話」は、泣きましたという感想をよくいただきますし、「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」は、笑いましたという感想をよくいただくので、人の心をゆさぶる要素はあるのかなと思っていました。いいセレクションで芝居をしていただけると感じています。

—プロデューサーの三宅優さんに伺います。この2作を選ばれたのは?

三宅 森さんは短篇が多いので、本当のことをいうと「三本立てってどう?」って演出家にいったら、「やめて!」と言われまして(笑)。じゃあ2本にするなら、両極端な方がいいかなと。森さんの作家性を伝えるには、どちらかだけだと不充分かなと思いまして。今は官能小説を書かれることが多いのだけど、そこに至るまでに、それこそスタートは少女小説、レモン文庫で始まったのだから、こういう作家でしょうと括られない部分は、上演するときに見せたいなと思っていました。

—両極端ではあるんですけど、2作とも舞台向きですよね。

 「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」はもともと舞台を意識していましたね。狭い空間で演じられるコントみたいなかたちにしようと。笑える、小さい舞台を楽しむような作品が書けたらいいなと思っていました。

—「いなくなった猫の話」のほうは。

森 主人公のヒロインの一人語りですから、舞台は移動しないですよね。酒場で、カウンターの向こうから客に向かって話すという。

—ほとんど一人芝居のような感じですよね。

 そうですね。杉本彩さんも、台詞が多いのにあんなに情感たっぷりに演じてくださって。

—現在のバーのシーンと、回想部分がけっこう重なりあっているので、難しいのではないかと思ったんです。

 実際に舞台でどういう演出が入るのか楽しみです。

—まずは「いなくなった猫の話」の稽古をご覧になったわけですけど、いかがでしたか?

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Hayakawashobo 森奈津子さんの作品が、舞台化されることになりました。森さんとプロデューサーの三宅優さんにお話を伺います。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

Hayakawashobo 【読者プレゼントあり】今月下旬から開幕となる、を公開します。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

mejamoo |SFマガジン @Hayakawashobo |SF MAGAZINE RADAR 面白そう。本屋で原作売ってたら買おう。新しい扉は開けてかなくちゃ。 https://t.co/NEICLFXg1m 2ヶ月前 replyretweetfavorite