投資対象としてのビットコイン

こんにちは。大塚雄介です。ビットコインって何なの? どんな仕組みになっているの? わたしたちの生活にこれからどう関わってくるの? といったことについて、ムズかしい専門書を読まなくてもわかるよう説明していくこの連載。ビットコインそのものや入手方法について説明してきましたが、そもそもビットコインを使うとなにがいいの? と疑問が浮かぶかもしれません。今回は、投資対象としてのビットコインについて説明していきます。

そもそも、なぜ人はビットコインを使うようになったのでしょうか。

一般の人がビットコインを使うメリットは、現状では大きく分けて二つあります。一つは投資対象として、もう一つは割安な海外送金の手段としての利用です。

ここでは、投資対象としてのビットコインについて見てみましょう。


為替リスクの回避先として

ビットコインが普及するには、歴史的にいくつか重要な出来事がありましたが、そのうちの一つが、2015年6月のギリシャのデフォルト(債務不履行)危機でした。通貨というのは「信用」で成り立っていますから、国の信用が失われ、通貨が暴落するのではないかという不安が広がると、より安定した外国の通貨が買われます。

リスクを回避するための「避難先」として、以前は「有事のドル買い」が有名でしたが、最近は安定資産としての「円」が買われる傾向があります。それと同じように、ギリシャのデフォルト危機のときに競って買われたのがビットコインだったのです。

国が信用不安に陥ったときに、特定の国とは切り離された仮想通貨を買いに走るのは、人間に共通した心理かもしれません。2016年にリオ・オリンピックが開催される前のブラジルでも、通貨のレアルが暴落してビットコインの取引高が増えました。

これが10年前だったら、おそらくビットコインが買われることはなかったはずです。しかし、2008年にリーマンショックが起きて、既存の考え方や金融システムに対する信頼がいったん地に落ち、安全だと思われてきたものが安全でないとわかったとき、生まれたばかりのデジタルのお金は多少リスクがあるかもしれないけれど、自分が保有する資産のうちの数%くらいはリスク資産に分散投資しておこう、という発想が広がってきたのではないかと思います。

ポートフォリオのうちの何割かは日本円を持ちつつ、株や投資信託、米ドルなどに分散投資する選択肢の一つとして、ビットコインをはじめとする仮想通貨の存在がクローズアップされてきたわけです。


ビットコイン投資とは

ビットコインは、円やドル、あるいは株と同じように、売ったり(ビットコインを支払って円やドルを手に入れる)、買ったり(円やドルを支払ってビットコインを手に入れる)することができます。

ビットコインの売買は、「いくらで売りたい」という人と、「いくらで買いたい」という人がうまくマッチすれば取引が成立する「相対あいたい取引」です。ビットコインを売りたい人と買いたい人を結びつけるのが「ビットコイン取引所」です。

「ビットコイン取引所」は取引を仲介するだけで、プライス(価格)を決めるのは、あくまでマーケットに参加しているみなさんです。といっても、現実には、他の人たちがいくらで売り買いしているか、現在の取引レートがリアルタイムで表示されるので、それに沿った価格で売買することになります。

ビットコイン価格は常に変動しているので、下がったときに買って上がったときに売れば、その差額が儲けになるのは、他のあらゆる投資と同じです。

短期的に見れば、ビットコイン相場は円ドル相場などと比べて値動きが激しく、先読みしにくいかもしれませんが(ビットコイン価格がなぜ上下するかについては次の連載で説明します。)、長期的に見れば、ビットコイン市場そのものがまだまだ成長途上なので、将来的な値上がりが期待できます。


センターマーケットがないナスダック方式

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大塚 雄介
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-03-24

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大塚 雄介

cakes読者のみなさん、はじめまして。大塚雄介です。ふだんは、仮想通貨交換取引所「coincheck」や、ビットコイン決済サービス「coincheck payment」を運営しています。ところで、最近ネットなどのニュースでビットコイ...もっと読む

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