2011年4月、日本IBMは、「結婚祝い金」(3万円)の支給範囲を、これまでの男女の結婚から一気にGLBT(※)当事者や事実婚にまで拡大した。ただし範囲を広げた代わりに、2回目以降の結婚は適用外。実に現実的な対応だ。
同社で、最初のGLBT社員が認知されたのは03年だった。翌04年に東京でGLBTのグローバル・ミーティングを開催し、08年には「ダイバーシティ委員会」が立ち上がった。大歳卓麻社長(当時。現最高顧問)の肝入りのプロジェクトとして、計五つあったテーマの一つに「セクシャル・マイノリティの尊重」が含まれた。
日本オリジナル版の社内啓蒙ポスター。制作には、GLBT当事者が関わっているという
その流れを汲み、現在も、GLBT社員がより高いパフォーマンスを発揮するために、(1)あらゆる層の社員がGLBTに対して正しい知識を持つこと、(2)世界各国で認知されたGLBT社員の数を増やすことに主眼を置いた施策が採られている。もとより世界規模での全体最適を目指すIBMでは、商習慣や働き方を含めた“世界統一化”が現在進行中だ。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。