最終回】中年期を迎える“ゲイ1期生” 直面する「老後」という課題

日本で同性愛者が顕在化し、徐々に一般化していった1990年代から20年。“ゲイ1期生”は中年期を迎えている。彼らは若いときにはまだ見えなかった人生上の問題と向き合い、がくぜんとすると同時に、それを何とか乗り越えようと試行錯誤している。「にじ色ライフプランニング情報センター」を主宰するFPの永易至文が、ゲイの老後問題について語る。

永易至文(ながやす・しぶん)/にじ色ライフプランニング情報センター主宰 ライター・編集者、2級FP。著書に『にじ色ライフプランニング入門ーゲイのFPが語る〈暮らし・お金・老後〉』『同性パートナー生活読本』。

 日本で同性愛者が顕在化するようになったのは、1990年代以後だ。女性雑誌で特集が組まれ、同性愛をテーマとしたテレビドラマ「同窓会」(93年)がオンエアされるなど、徐々に一般化していった。

 こうした社会の変化は当然、同性愛者たちを刺激し、日本でも自身が同性愛者であることを受け入れる若いゲイたちが現れ始めた。私もその1人だった。日本の“ゲイ1期生”と言ってもよい。

 それから20年。“ゲイ1期生”は中年期を迎えている。そして、若いときにはまだ見えなかった人生上の問題と向き合い、がくぜんとすると同時に、それを何とか乗り越えようと試行錯誤している。

 その問題の一つが病気になって入院したときだ。同居、一人暮らしにかかわらず、突然の発病時や入院時に、ゲイならではの問題が現れる。

 パートナーは「家族」や「配偶者」として認知されない。当人も聞かれたときに、そう言えないことが多い。医療機関でどう扱われるか不明だ。

 実際にあった事例を挙げよう。パートナーが外出先で心臓まひを起こし救急搬送され、携帯電話で最後に通話した人ということで連絡を受けた。救急隊に「家族の方ですか?」と聞かれたが、正直に「そうではないが……」と答えてしまった。すると、個人情報保護を理由にその後の病状を知ることができなかったという。最悪の場合、ゲイはパートナーと“生き別れ”になる可能性があるのだ。パートナーが意識を失ったり、終末期状態になった場合も同様の事態が考えられる。

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国内市場5.7兆円 「LGBT(レズビアン/ゲイ/バイ・セクシャル/トランスジェンダー)市場」を攻略せよ!【4】~LGBTの座標軸—周囲の理解と老後

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ダミー 本誌・池冨 仁、臼井真粧美、柳澤里佳、片田江康男(ダイヤモンド・オンライン編集部) ※この連載は、2012年7月14日号に掲載された特集を再編集したものです。

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