菅沙絵
1年前のあの日、百鳥ユウカは心に誓ったことを守れたのか
百鳥ユウカさんは、独身三十代の女性。三十を過ぎても乙女心を失わず、その不安定なガーリーさは、ある一定の男性の心をとらえて離さない魅力に満ちていた。波乱万丈だった1年間は、彼女に何をもたらしたのでしょうか。
百鳥ユウカ(35)。ついに誕生日を迎える今日、ユウカは1年と少し前のあの日のことを思い出していた。
隆二と別れた数寄屋橋の交差点。元彼の車を強引に降りて、私は私の中のリトルユウカに誓った。
「私は必ずいい男を捕まえて、結婚してみせる」
ビリーヴマイ鳥肌。私の前に道はない。私の後ろに道ができる。先に困難が待ち受けていようと私はかまわず前に突き進み……、痛い目をみました。はい、なんども。
元彼にストーカーをして逮捕され、会社に不倫相手の奥さんが殴り込んできてグーでパンチされ、逃げ込んだボランティア村では恋愛ゲームの主役になっていい気になってたら仲間から追い出され、やがて行き着いた先は北新地。夜の蝶としてデビューして、数多くの男を虜にした。
西の街で知り合った男たちはユウカを追いかけて、物語の舞台は小豆島へとうつった。あのとき、小豆島で出会った人たちのことをユウカは一生忘れないと思う。
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この連載について
菅沙絵
友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む
著者プロフィール
神奈川県座間市出身。実践女子短期大学卒業後、20歳で大手メーカーへ一般職として就職。20代の頃より小説の投稿を続け、3年前より本サイト「cakes」にて連載を始める。その後、自身初の書籍化。
現在は、自分に正直に生きているだけなのに結婚できないOL百鳥ユウカを主人公にした小説「結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜」をcakesにて連載中。