あの人と深いところへ

村上淳と大橋トリオの、いつもよりちょっと深いところ。(前編)

俳優・村上淳とミュージシャン・大橋トリオの距離感は独特だ。時には役者として共演し、一方がDJをすれば一方の楽曲を掛けてフロアを沸かせる。同じ事務所に籍を置き、昔から多くの現場で顔を合わせては、いつも四方山話に花を咲かせる。だけど、二人きりでは食事に行ったこともない。そんな彼らが共通の趣味であるカメラを構えながら、今一度向き合ってみる。ファインダー越しに見えてきた、お互いのいつもより少し深いところ。

(まずは今回のハイライトをスペシャルムービーでどうぞ。)

—お二人の交友はもうずいぶん長いですよね?

村上淳(以下村上) そうですね。出会いとかについてはこの10年間、大橋君も僕もずっと話してるから。“詳しくはWEBで♡”、って書いといてください(笑)。今日は近況報告みたいなほうが良いかなって。大橋君、最近すごい地方に行ってるでしょ?

大橋トリオ(以下大橋) 今、キャンペーンなんで。(カメラのディスプレイを見せながら)大丈夫ですか? こんな感じで。

村上 (ディスプレイを見ながら)全然大丈夫。僕、30超えてから基本家からあんまり出ないから、大橋君とお茶しに行ったりとかもしたことないよね。

大橋 そうっすね。確かに行ったことないすね。

村上 僕、ソウルメイトだと感じた人間には勝手に安心して“そっちは任せる!”とかって思ってて。お前がそっちをがんばってくれるなら、僕はまた違うことを頑張るから、みたいな。大橋くんに対してもそう思ってるんだけど、今日はせっかくだから普段は聞かなかったようなことを聞いてみようかなって。前から聞きたかったんだけど、『HONEY』ってどうやって作ったの?

大橋 『HONEY』はギターから。ジャカジャカ弾いて。最初はもっとアコースティックな曲だったんですよ。ウッドベースだったし。

村上 そのデモないの? お金の匂いがする(笑)。

大橋 (笑)。

村上 じゃあ、今、一番自分の曲で歌いにくいのは?

大橋 めっちゃ歌いにくいんですよ、全部。

村上 それ、自分のせいじゃん(笑)。

大橋 仲間内でカラオケ行くとみんな僕の曲を入れてくれるんですけど、「歌いにくい」って文句言われます(笑)。ムズいよ!って。自分の声のトーンとか音域じゃないと表現できないものになっちゃってんだろうなぁって。。

村上 そうかな? 僕、自分で車を運転しながら歌ってるとすごい歌いやすいけど。

—村上さん、車で大橋さんの歌、歌ってるんですね(笑)

村上 すごい歌ってるよ。そう言えば昔、ドラゴンアッシュのKJと共演してご飯食べに行ったときに聞いた話がすごく印象的だったんだけど、「マイクを通した自分の声を全部把握してる」って言ってて。それを聞いて、なんて格好いいんだ! って思ったんだよね。俳優って舞台は地声だけど、映像はマスタリングまでは関わらないからさ。だからマイクを通した自分の声が確認できるようになるまで、正直どういう処理がされてるのかわからない。でも大橋君とかはそれがわかるわけじゃない?

大橋 そうっすね。ミックスも自分でやるから。

村上 で、それを見越して歌入れするわけでしょ? それって……格好いいよね(笑)。

大橋 僕、歌入れは一人でするんですよね。

村上 それだと燃えないじゃん。オーディエンスいないと。

大橋 燃えなくていいんですよ。燃えるとダメなんです(笑)。

村上 力入っちゃうから?(笑)。

大橋 そう。許容範囲を超えちゃうんで。

村上 でもライブで3000人入ってたじゃん。

大橋 そりゃライブはね(笑)。でもライブで外に出てる声と自分が思って出してる声ってやっぱり違うから、ライブの音源はあんまり聴かないようにしてます。

村上 ライブ盤出してたよね?


ohashiTrio&THE PRETAPORTERS 2014

大橋 はい。だから僕はそれは聴いてないっす(笑)。

—お二人は仕事でご一緒する機会も多いですよね?

村上 そうです。あ、ちなみに宣伝。3月25日公開の廣木隆一監督の『PとJK』って作品で大橋君が音楽やってくれてる。

大橋 そうなんです。淳さんも出てる。お父さん役で。そういう共演は実はちょいちょいやってますよね。

村上 そうそう。で、それ以外の時も例えば車に乗ってる時にJ-WAVEで大橋君の曲が掛かってたり、多分、大橋君は大橋君で、「あ、淳さんこういう仕事してんだ」くらいに思ってくれてると思うんだけど、それくらいが程よくて。あとは(二人の所属時事務所の)「ディケイド」の25周年で作った映画で一緒にやったり、大橋君のPVに呼んでもらったりして。それで顔合わすくらいが良いんです。なんか照れくさくて。

大橋 ですね。もう、淳さんとは現場で会うものって感じになってます。

村上 5年前に主演をやらせてもらった『プレイバック』って映画でも大橋君の曲を使わせてもらったけど、その時京都とか大阪でもイベントやったよね。

大橋 やりましたね。途中の間奏で淳さんが口笛吹いて(笑)。

村上 あと、大橋君のリクエストコーナーとか。大阪のイベントではお客さんに見えないようにグランドピアノ隠しておいて、「なんだ、大橋トリオ今日は何も弾かないんだ」って思わせておいて、最後にバッてピアノを出してみたり。あそこで聴いた『A BIRD』は忘れないよ。

大橋 淳さんはサービス精神が旺盛。本当にそう思いますよ。その時も「大橋君、それ絶対やった方がいいって。お客さん喜ぶから」って。

—村上さんはDJでもよく大橋さんの曲をかけていますよね?

村上 うん。僕DJやるときはかなりロングミックスなんです。最近のEDMみたいにバンバン曲が変わるほうがいいっていう人もいるかも知れないけど、僕自身はそれが苦手で。で、大橋君の曲はすごく繋ぎやすいんだよね。ロングミックスでもグルーヴがあってダンスクラシックともすごく相性が良いし、盛り上がるんだよね。大橋トリオからみんなが知ってるダンスクラシックに繋ぐっていう発想がみなさん無いようで。

大橋 まぁ僕の曲に限らず、淳さんそういうの多いっすからね(笑)。ピストン西沢さんの上を行ってる。

村上 (笑)。僕、レコードバッグに必ず入ってるレコードが20枚くらいあるんですけど、そういう軸曲を中心に2時間のセットリストを構成するんですよ。この曲かけたい!っていう1曲に合わせて、他を全部入れ替えていく。25年くらいDJやってて、例えばジャネット・ジャクソンのハウスとかが自分にとってはそれで、そういう組み立て方をしてたんだけど、まさか大橋君の曲で同じことができると思わなかったから。今で言えばMONKEYTIMERSの曲もそう。もうね、DJする機会が増えますよ(笑)。

後編へつづく。

Photography_KOUSUKE MATSUKI
Movie_JUNYA OBA(HTP inc.)
Text_RUI KONNO
Edit_SHOKO MATSUMOTO,ADO ISHINO(E inc.)


この連載について

あの人と深いところへ

ミーティア編集部

あの人とこの人? アーティストやミュージシャンの意外なつながり、この街でこんなことが? 街にひそむ楽しいはなしなど。「いつもよりちょっと」深く掘ってみます。

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