第16回】職場におけるカムアウト問題 周囲の理解と配慮は不可欠

日本には統計データが存在しないが、海外の調査では「約30人に1人はLGBTに該当する」という目安が定説。そうなると、職場の同僚や上司、部下、取引先などにいてもおかしくはない計算になる。大企業であれば、数十人単位でいることも考えられる。もし、あなたが職場の誰かから同性愛者であることを打ち明けられたら…。

 「彼女いるの?」

 この何げない一言は、LGBTの人たちにとって、小さな痛みを伴う。偽りの答えを強いられるからだ。多くのゲイは、「彼女」と言われれば、頭の中で男の恋人に置き換える。レズビアンは、「彼氏」というのを女の恋人に置き換えて、「いる」「いない」と答え、その場を乗り切っている。

 若いうちは、それほど問題にはならない。だが、年を重ねていくにつれて、辻褄を合わせるのが苦痛になってくる。周囲の異性愛者が結婚していく一方で、自分は同性愛者であるが故に、恋人がいても、対外的に独身という立場を続けることになるからだ。

 すると今度は、周囲の人たちから「なぜ、結婚しないの?」と直截に聞かれるようになる。中には、結婚しないこと自体を「社会的な責務を果たしていない」として暗になじるような人もいる。

 日本には統計データが存在しないが、海外の調査では「約30人に1人は該当する」という目安が定説になっている。そうなると、職場の同僚や上司、部下、取引先などにいてもおかしくはない計算になる。大企業であれば、数十人単位でいることも考えられる。

 LGBTの人たちは、そのことを明かせないでいることが多いので、実際に目にしていたとしても、存在に気付かない。しかも、そうであるが故に、同性愛者についての正しい知識をほとんど持っていない。だから、もし職場の誰かから同性愛者であることを打ち明けられたら、まずどうしてよいかわからなくなるのである。

 職場におけるLGBTの問題に詳しい虹色ダイバーシティ代表の村木真紀さんは、次のようにアドバイスする。

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この連載について

国内市場5.7兆円 「LGBT(レズビアン/ゲイ/バイ・セクシャル/トランスジェンダー)市場」を攻略せよ!【4】~LGBTの座標軸—周囲の理解と老後

週刊ダイヤモンド

ダミー 本誌・池冨 仁、臼井真粧美、柳澤里佳、片田江康男(ダイヤモンド・オンライン編集部) ※この連載は、2012年7月14日号に掲載された特集を再編集したものです。

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