最近我々の周辺をにぎわせている事件がある。
不倫をしているA子という若い女性が、相手の家に乗り込んで行って、家財道具をむちゃくちゃにしたという。が、不思議なことに男の方は彼女のその情熱にさらに魅かれ、二人は今、同棲をしているそうだ。ちなみに奥さんの方は、いろんなショックで精神科に入院したというから、ホラーのような怖い話である。
「私は彼女ほど凄いことは出来ないけど、気持ちはわかるな」
と言うのは、やはり二十代のB子である。彼女はやはり妻子持ちの男性と熱愛中なのであるが、あちらの男性は、日曜日にケイタイの電源を切ってしまう。それが口惜しくて悲しくて、長い長い恨みつらみの手紙を書くんだという。
みんないろいろ苦労しているんだ。だから人のダンナさんとそんなことしちゃいけない。世の中には若い独身の男のコがうろうろしているんだから、その中から見つけなさい、何ていうことを私はもちろん言わない。
「他人の不幸は蜜の味」
と言うが、それよりもさらに濃く、ねっとり甘く、コンデンスミルクを混ぜ合わせたようなのが不倫ではなかろうか。