ビットコインは、以前からあった支払い手段と似た面もあれば、違う面もあります。別のサービスと比べることで、何ができて、何ができないかを明らかにしてみましょう。
仮想通貨であるビットコインは、日本円や米ドルと同じ「決済通貨」でもあるので、買い物や食事での支払いにも利用できます。米国西海岸のサンフランシスコやシリコンバレー、東海岸のニューヨークでは、ビットコインを使えるお店がかなりあり、また日本国内でも利用シーンがどんどん拡大しています。
クレジットカード社会といわれる米国でも、ビットコインの利用が広がっているのはなぜでしょうか。クレジットカードとビットコインの違いを明らかにしながら、その理由を考えてみましょう。
クレジットカード残高は借金と同じ
「VISA」や「マスターカード」などのクレジットカード会社は、みなさんの代わりに一時的に支払いを立て替えてくれる存在です。つまり、利用者にとってカード残高は借金と同じです。
「クレジット」の本来の意味からもわかるように、クレジットカード会社は利用者を「信用」して代金を立て替えています。しかし、無制限に信用するわけにはいかないので、カードのグレードや個人の支払い能力などに応じて、利用限度額という上限を設けています。毎月その範囲内なら自由に使っていいわけです。
ビットコインでの支払いは通貨の移動そのものなので、立て替え払いのように一時的に借金するわけではありません。決済での利用に関しては「信用」貸しはないということです(ビットコインそのものを売買するときは、現物がなくてもビットコインを借りて、レバレッジ取引をすることができます)。
ビットコインには「信用」の枠がないため、ウォレットに入っている金額以上のビットコインを支払うことはできません。財布に千円札が1枚しか入っていないのに、2000円のものは買えないのと同じです。
クレジットカードと似たようなものに、デビットカードがあります。デビットカード払いでは、支払った瞬間、銀行預金からその代金が引かれるので、カード会社が一時的に立て替えるわけではありません。デビットカードは銀行預金残高の枠内でしか支払いができないところも、ビットコインと同じです。
手数料が1%程度で割安に
では、支払いを受けるお店側にとって、クレジットカード決済と、ビットコイン決済の違いは何でしょうか。それはずばりコストです。
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