自虐的に「オバサン」という女性たち
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
自虐ネタなのだとは思うのですが、よくある会話で、例えば40代くらいの女性3人組がいらっしゃって、「なんかオバサンばっかりですいません」と言われることがあります。もちろん冗談だとは思うし、ご本人たちもそんな「オバサン」だとは思っていないのかもしれません。でも、こちらとしてはどう答えていいのかよくわからないんです。
「いえいえ、みなさんお若いですよ」って言うの、すごく変ですよね。どうして僕の言葉が「変」かと言いますと、僕も彼女たちの価値観にあわせて「バーに来る女性は若い方が良い」というのに同調してしまうからなんです。僕は当然そんなことを思っていないわけで、それで無理して言っているし、どうも変になるんです。
あるいは「今日は若い女性を連れてきたから」なんて言葉を言われることがあります。これも困るんです。別に僕は「バーに若い女性を連れてきて欲しいなあ」と思っているわけではないのですが、向こうは「どう、すごいでしょ。若い女性と来ちゃった!」って感じのドヤ顔なので、僕としても「うわあ、お若いですねえ。20歳! へええ、お母さんおいくつですか? うわ、僕より年下ですね」って感じで合わせなきゃいけないんです。
そして本当に困るのが、その当の本人の若い女性自身も、「自分は若い女性だから、こんなオジサン達の間ではすごく価値がある」って思ってしまって、「今、私たちの間では、こういうのが流行ってて……マスター知ってます?」みたいな感じになってしまうこともあるんです。
僕としては「20歳の女性達の間で流行っていること」なんてもちろん知らないし、同様に「70代の女性達の間で流行っていること」も知らないのですが、何故か「若い女性達の間で流行っていること」って、変に価値があるような雰囲気になってしまうんです。若い女性の方が価値が高いっていつ決まってしまったんでしょうか。