美女入門

女を綺麗にする、甘やかな恋の後悔

ananの名物エッセイ「美女入門」。「美女入門」part15となる最新刊『美女は飽きない』発売を記念して、「美女入門」part1から、1999年の1編「魔がささない人生なんて」より。女と男、ついつい友だちと恋人の境を超えてしまったときの恋の後悔とは。でも、それは甘やかで女を綺麗にする後悔なのです。魔がさして悔いの多い人生上等!という林真理子さんのポジティブなエッセイに元気づけられます!

私が常日頃から、カッコいいなあと思っているその男の人と六本木を歩いていた。

 二人でイタリア料理を食べ、ワインを二本飲んだ。彼は私と全く違う職種であるが、それゆえ話が大層面白い。盛り上がってもう一軒飲みに行こうということになった。

 六本木は旧テレ朝通りの裏の方、夜遅いからほとんど人通りはない。時折、ちらちらと二人の手が触れたりする。

 そお! もう長いこと忘れていたけれども、恋の始まりってこんな感じだったわよね……。その時、彼の声がひときわ大きくなり、それに混じって異なるヘンな音も聞こえてくる。まさか、と思ったけれども一応尋ねてみた。

「ねえ、今、オナラしたでしょ」 「したよ」

 とあっさり答えたのはいいけれど、それまでのロマンティックな雰囲気は全く消えてしまった。私は腹が立つより先に笑ってしまった。 「私とこの人って、絶対に何も起こらないわね」

 さて、話はもっと深刻なことになるのであるが、女のコを何年かやっていると、むずかしい問題が時折生じてくる。つまり、この男の人はずうっと友人のままにしておくか、それとも恋人に昇格していいのかという選別である。男の友だちとしてはすごく楽しい。気は合うし、電話一本ですぐ来てくれる。こちらが失恋した時は、ちゃんと愚痴を聞いてくれてとてもやさしい。あんまり楽しくないけれど、あちらの彼女のことだってちゃんと知っている。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

モテたい!痩せたい!キレイになりたい! オンナ度をアップするパワフルエッセイ!

美女は飽きない

林真理子
マガジンハウス
2017-06-22

この連載について

初回を読む
美女入門

林真理子

ついに1000回を迎えた、アンアン連載「美女入門」。1997年の第1回には、こんな一文があります。「キレイじゃなければ生きていたってつまらない。思えば私の人生は、キレイになりたい、男の人にモテたいという、この2つのことに集約されている...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

elba_isola |林真理子|美女入門 中高時代に背伸びして読んでた 2年以上前 replyretweetfavorite

c_manami_001 ふふふ。 引用:魔"に支配されない人生なんて、こんなにつまらないものはない。後でしまった、と思うことをしてしまう。それが若さであり、女である。 2年以上前 replyretweetfavorite

Iii44698912Q |林真理子|美女入門 女のコには惜しかったと思う男が二種いる。寝たかったのに駄目だった男と寝ない方がずっとよかったという男だ。そういうことをしなければずっといい友人でいられたであろう https://t.co/TOGJpcwMSz 2年以上前 replyretweetfavorite