2016年5月9日
互いにエキサイトするあまり、妻とはよく離婚話が持ち上がる。そのときあちらは決まって昔話を持ち出してくる(女って何でいつまでも覚えているんだろう)。
親しい編集者(庇っているのではなくマジで誰か忘れた)に、妻の職業とエピソードを伝えたら、「(仮に結婚したとしても、離婚するときは)身ぐるみ剥がされるよ」と言われた。それを悪気なく話したところ、今でも根に持たれている。
妻にはこの「身ぐるみ剥がす」というのがひどく癪にさわるらしく、喧嘩をするたび蒸し返してくる。
自分は男に頼らない、自立した女になるために猛勉強をして弁護士になったのに、まるで寄生虫のごとく、もっと言うと「金目当てに結婚をした」みたいに言われるのが悔しいのだと思う。
もちろん僕は金持ちなどではない。『タモリ論』を上梓した年を除けば妻の半分しか年収がない。
妻は金剛力士像のような顔で口走る。
「今後の養育費も要らないし、これまで掛かった経費も全額返す。ただし、
妻は怒るだろうが、あえて言いたい。「身ぐるみ剥がされるよ」と言った人は正しかったと。
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