俺は使い勝手のいい家政婦じゃない!

子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ! 無頼のハードボイルド作家である樋口毅宏さんが、いつのまにか専業主夫になってしまった男の子育て日記『おっぱいがほしい』を特別掲載します。 美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛んだ奥さまを〝満足させ〟つつ、あらゆる家事と育児を「完璧に仕切る」ファンキーな毎日のはじまりです。

2016年5月5日

 GW期間中は当然我が子とべったり。ミルクを飲む量が増え、一日に何度も泣いて起こされる。ブツ切り睡眠のため疲れが取れない。

 意外に思われるかもしれないが、生まれてこの方一度も怒ったことがない、嘘をついたことがない僕でもさすがにイライラしてしまう。

 この週、テレビの仕事で三回京都と東京を行き来している妻からメールが来る。

「衝撃の事実。時間を間違えて二時間早くスタジオに来たら誰もいない」

 その間誰が赤ん坊の面倒を見るのか。

 怒りがふつふつと湧き起こる。

 これでまた言いすぎると逆ギレされるので、感情を抑えてメールを返す。

「ジムやエクステを除いて、その時間に仕事を入れないでくれと俺がお願いしたことがあるか。

 テレビのギャラがいくらか知らない。しかし新幹線に乗れば必ずグリーン車のふさこに、ちょっとは経費を節約したら?と何度か進言した。

 拘束時間や、夫に育児を強いる時間を考慮したら、あなたのテレビ仕事は時給いくらなのか?」

 やばい。どんどんエスカレートしてきた。

「使い勝手も物分かりもいい家政夫を手に入れられて良かったね。何でもかんでも夫にやらせてばかり。口先だけの『ごめんね』にはもう飽きた。ふさに俺はもったいないよ。

 おまえが男だったら絶対オムツを替えたこともない、愛人を作ることには長けた政治家になっているよ。自民党や維新の会で偉くなりそう。

 俺は今回のことだけで怒っているんじゃない。もう限界だ。二度と帰ってくるな。親権と養育費をくれたらいいから」

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おっぱいがほしい!—男の子育て日記

樋口毅宏

子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ! 無頼のハードボイルド作家である樋口毅宏さんが、いつのまにか専業主夫になってしまった男の子育て日記『おっぱいがほしい』を特別掲載します。 美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏...もっと読む

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コメント

maeda_maeda お、俺も…。 https://t.co/iZLE7ZdV8g 3年以上前 replyretweetfavorite

msmsm_msm 好きなカレシでも一緒にいたら飽きるし疲れるでしょ?この「カレシ」の部分を「赤ん坊」に変えると世間が怒るんだよ。「母親失格だ」「母性が足りない」とか言って 3年以上前 replyretweetfavorite