俺にもおっぱいがほしい

子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ! 無頼のハードボイルド作家である樋口毅宏さんが、いつのまにか専業主夫になってしまった男の子育て日記『おっぱいがほしい』を特別掲載します。 美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛んだ奥さまを〝満足させ〟つつ、あらゆる家事と育児を「完璧に仕切る」ファンキーな毎日のはじまりです。

2016年3月2日

 赤子が生まれて四ヶ月が経過しました。いまなお嵐のような日々です。

 生まれて三日後、新刊のキャンペーンで東京まで赴き、TBSラジオ「session-22」に出演したときのこと。パーソナリティーの荻上チキさんから「大変ですよ」と、目をキラリとさせて言われて、身震いしたことを思い出します。

 チキさんの予言は当たった。毎日が赤子を中心に、てんやわんやと一喜一憂。

 最初のうち、妻の母乳の出が思わしくないため、助産院に行くことになった。

「先生から、生まれたときは三七七六グラムもあったのに全然増えてないって叱られたよ」

 妻は涙目で語っていた。

 それでも通ううちに乳が出るようになり、赤子の体重は順調に増えていった。そうなったら今度は「太りすぎじゃないかな」と心配することに。

 母乳のときは乳首を咥えて、鼻を乳房に埋めたまま、哺乳瓶のときも顔に何か布が掛かっていないと寝ようとしない。窒息しないか、こちらは夜中に何度も確認してしまう。恒例の睡眠不足状態。前よりは慣れてきたぞ。

 僕の家事と育児も少しはマシになってきた。ミルクにあやしにオムツ替え。やってないのは授乳だけ。ああ、おっぱいがほしい!

 どんなに泣いていても、安眠装置としてのおっぱいがあれば大丈夫。

 おっぱいには敵わない、と思い知らされた。こんなに尽くしているのに悲しくなるときもある。

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おっぱいがほしい!—男の子育て日記

樋口毅宏

子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ! 無頼のハードボイルド作家である樋口毅宏さんが、いつのまにか専業主夫になってしまった男の子育て日記『おっぱいがほしい』を特別掲載します。 美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏...もっと読む

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