そして妻は20キロ肥えた

子育ては、この世で一番ハードでクリエイティブなワークだ! 無頼のハードボイルド作家である樋口毅宏さんが、いつのまにか専業主夫になってしまった男の子育て日記『おっぱいがほしい』を特別掲載します。 美人東大卒弁護士という華やかな肩書きと裏腹に、常識が通用しないぶっ飛んだ奥さまを〝満足させ〟つつ、あらゆる家事と育児を「完璧に仕切る」ファンキーな毎日のはじまりです。

2016年1月10日

 これまでの僕は朝に寝て昼起きる生活をしてきた。

 他人からは不規則な生活に見えるだろうが、毎日ほぼ同じ時間に八時間きっちり眠るので、起きている間はずっと頭がはっきりして、十分なパフォーマンスが可能だった。

 それが前にも書いたように僕と妻と同じベッドに赤子を寝かせているため寝返りが打てず、オムツ交換とミルクのため、否が応でも二、三時間おきに起こされる生活に変わった。

 ごはんのときは、とにかく赤子がおとなしいうちに済ませようと、どうしても早食いに。赤子のあやしすぎのため腱鞘炎と筋肉痛に耐えながら、「子育ては体力だ」とばかり、食べる量が増えた結果、二ヶ月で四キロ増量した。

 妻はもっと酷い。

 妻は妊娠中、食べづわりだった。通常の悪阻が無かった。

 あれは妊娠三ヶ月目あたりだったか、自分で作ったカレーライスを立て続けに四杯おかわりしたことがあった。何かに取り憑かれたような目をしていて、「ここで止めたら殺される」と思った。

 妻の異常とも言える食欲は出産まで止まらなかった挙げ句、体重は20キロ増加した。

 改行してもう一度書くよ。

 20キロ。

 血圧が上がらなかったとはいえ、医師は呆れただろう。夫の僕はもっと呆れた。

「赤ちゃんにおっぱいをあげていくうち、激やせするんだって」

 妻はそう言ったが、そもそもの体重は53キロ→出産時73キロ(夫より重い)→ジムに週二回通って62キロ←イマココ。

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おっぱいがほしい!—男の子育て日記

樋口毅宏

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mikanthecat |おっぱいがほしい!――男の子育て日記|樋口毅宏|cakes(ケイクス) #SmartNews こんな旦那さんがほしい! https://t.co/tC7BwSB2lP 3年以上前 replyretweetfavorite

kai_may いいなー、一緒に夜も起きてくれる夫さん。体重のこと率直に言える妻さんすごいわ。私は今でもナイショ。→→→ 3年以上前 replyretweetfavorite

twinklebonny 体重の話はさておき、いいこと書いてます。上から目線失礼します。 3年以上前 replyretweetfavorite

Happy_Paint おっぱいがほしい!——男の子育て日記 樋口毅宏 https://t.co/eHyCQ42gLr 3年以上前 replyretweetfavorite