にわかに増えつつある、ショートカットたちよ。
-髪を切る最高に刺激的な理由–

【第10回】女子が髪を切りたくなる地雷(?)を巡り、演劇作家の妄想は止まらない。それは、悪い癖なのか。今まで見えなかったうなじが急に見えるようになったら、誰だって気になるはず! それが、身近にいる女優だったら、なおさら。というわけで、意を決して訊いてみたところ・・・。


まわりに、にわかに、ショートカットの女子が増えつつあるような気がする。しかもそれなりにロングヘアーだった女子がだ。ばっさりと、結果だけみればなんの 躊躇(ちゅうちょ)もなかったみたいにして、ばっさりと。切り落とされてしまったときに、女子はな にを想うのか。髪型をがらりと変えるときは、たとえば恋に破れたとか、そういう。 なにか彼女にとって、決定的ななにかがあったとき。みたいなそういうのは、あんまりぼくは信じられない。というか、いちいち髪を切ったからといって、そういうふうに繫げてかんがえたくないし、たぶん「なんとなく」切ったまでなのに、具体的な想像力を膨らませてこじつけたくはない。だがしかし、だ。だがしかし、やっぱり回りまわって、なにか・・・なにかあったはず・・・と想像してしまうのは、悪い癖だとわか っていつつも。なにかなくたって、なにかあったはず。 それを切ろう、と思い立ったに至るまで。なにかなくたって、こまかくは、なにかあったはず。飼っていた犬が死んだとか、おじいちゃんが死んだとか、金魚が共食いしたとか、そんなおおきなことじゃなくても、友だちくらいがちょうどよかったひとが一線越えてきた、とか。仏壇のなかに置かれてあった写真が突然たおれた、とか。日常には、髪を切りたくなる地雷がおびただしいくらいに潜んでいて、それを踏んでしまうと、きのうまで、見えていなかったうなじが、きょうは見えているという事件に発展するのだ(見えていなかったうなじの破壊力は、ほんとうにすごい)。

小さいころからぼくなんかは髪型が変わったことがない。ちょっと長髪にしていた時期があったくらいにして、髪を染めたりとか、くるくるにしたことも、まっすぐにするパーマもなんにもしたことがない。だから、かもしれないんだけど。どのタイミングで.・・・? と、気になってしょうがないのだ。ファッション誌を眺めていて、こんな髪型にしたい。漫画のなかの、あの子の髪型を真似たい。とかもあるんだろうけれど、それだけじゃないはずなのだ。というわけで、勇気を持って。最近ショートカットにした女優に訊いてみた。えっと・・・な、なんで、短くしたの・・・?

彼女は「きのう、サボテンが死んだのよ」と答えた。名答です。

又吉直樹さんも絶賛!

おんなのこはもりのなか

藤田貴大
マガジンハウス
2017-04-13

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演劇界のみならず、さまざまなカルチャーシーンで注目を集める演劇作家・藤田貴大が、“おんなのこ”を追いかけて、悶々とする20代までの日常をお蔵出し!「これ、(書いて)大丈夫なんですか?」という女子がいる一方で、「透きとおった変態性と切な...もっと読む

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Ld97eucrN1nK 【コラム】 1日前 replyretweetfavorite

4nu97ytzVUdw =コラム= 1日前 replyretweetfavorite

komachibypass "髪型をがらりと変えるときは、たとえば恋に破れたとか、そういう。 なにか彼女にとって、決定的ななにかがあったとき。みたいなそう..." https://t.co/RYkAXLhWVq https://t.co/D4uj0l9PC6 #drip_app 3日前 replyretweetfavorite