渋谷音楽図鑑

アフター・パンクのロリポップ・ソニック

7月4日に発売となった『渋谷音楽図鑑』(著=牧村憲一・藤井丈司・柴那典/太田出版)、注目の第5章「渋谷系へ」の特別公開。1987年、敏腕プロデューサー井上由紀子に声をかけられた小山田圭吾はロリポップ・ソニックとして活動を開始。さらに小沢健二も加わることで、あの、終わらない「夏休み」が始まっていく――。

カジヒデキとゼスト

 1987年、小山田圭吾は、バンドをやろうと誘われます。声をかけたのが井上由紀子。彼女は後にヴィーナス・ペーターを結成する沖野俊太郎も誘っていました。まさにこの頃から敏腕プロデューサーだったのです。そして彼女と小山田圭吾がふたりで始めたピーウィー60’sというユニットが、その後ロリポップ・ソニックと名を改めます。そこに小沢健二も合流し、バンドは小山田圭吾、小沢健二、井上由紀子、荒川康伸、吉田秀作という5人組として活動を始めます。

 87年11月に行われた、2人時代のロリポップ・ソニックのデビューライブを目撃していたのがカジヒデキでした。

 彼は、東京ネオアコシーンを形成していた人脈を結びつける役割を果たしていました。

 高校時代にはハードコアやポジティブ・パンク、ゴスに傾倒していたカジヒデキは、ロリポップ・ソニックのライブを目撃したことをきっかけに音楽の嗜好もファッションも変わることになる。そして『英国音楽』の小出亜佐子やペニー・アーケードなどと友人関係を築くようになりました。

 彼は86年に宇田川町のマンションの一室にオープンした輸入盤店、「ゼスト」でアルバイトをしていました。そのバイト仲間だったのが、エスカレーター・レコーズを主宰した仲真史。同じくクルーエル・レコーズを立ち上げた瀧見憲司とも知り合います。彼らが立ち上げたインディー・レーベルが、その後90年代の渋谷系の最前線を担うことになります。

アフター・パンクのロリポップ・ソニック

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渋谷音楽図鑑

牧村 憲一,藤井 丈司,柴 那典
太田出版
2017-07-05

この連載について

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渋谷音楽図鑑

牧村憲一 /藤井丈司 /柴那典

シュガー・ベイブ、山下達郎、大貫妙子、竹内まりや、加藤和彦などの制作・宣伝を担当、80年代後半からはフリッパーズ・ギターをプロデュース。解散後は「トラットリア」を設立――。そんな音楽プロデューサー牧村憲一さんが「渋谷」で出会った音楽、...もっと読む

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コメント

POP_ID https://t.co/22ZJRk9tOd 約3年前 replyretweetfavorite

gggggoto510ryot 面白すぎる。 約3年前 replyretweetfavorite

c_nana7 このカセット欲しいな!!!!【 約3年前 replyretweetfavorite

Ujirou 3件のコメント https://t.co/mJ8p09XHao 約3年前 replyretweetfavorite