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親が絶対にやってはいけない7つのこと
私がこれまで多くの子どもたちと接し、彼らの声を聞き、親としてこれだけはやってはいけないと思ったことをまとめてみます。全部で7つあります。
①他人や兄弟姉妹と比較する
誰かと「比較する」ことほど、子どもたちのやる気をそぐものはありません。 「○○はできるのに、どうしてお前は……」
つい口にしがちですが、子育てにおいては絶対に禁句です。
やる気をそがれた子どもは、自己肯定感も失っていきます。
すべてのことに前向きになれず、「どうせ自分は……」とネガティブな思考を最初から抱えるようになってしまう。諦めてばかりになる。一度このクセがついてしまうと、なかなか大人になってから修正できなくなります。子どものうちに、どう接するかが大切です。
②持ちものやカバンの中身を無断で確認する
親は子どもの持ちものに対し、心のどこかで「もともとは自分たちのお金で買ったもの」という甘えを持っています。「だから少しぐらい見てもいいだろう」という考えになってしまう。しかしこれは決してやってはいけないことです。たとえ我が子であっても、一人の人間ですから、プライバシーは尊重するべきです。
親としては、勉強の妨げになるものや、親として禁じているものを持っていないかと確認したくなるかもしれません。しかし、たとえば隠し持っているゲーム機や漫画などを発見したところで、実はあまり意味がありません。
子どもの気持ちが娯楽に向かっている限り、ゲームや漫画がなければ、ほかの遊びを探し始めるだけです。空いた時間に勉強しよう、とはなりません。
それよりも「今はこれが好きなんだな」「どうしてもやりたいんだな」と受け入れ、その代わりに「時間を限定する」「勉強を疎かにしない」などのルールを設けたほうが、前向きな対処法になります。
③自分の価値観を押しつける
前に触れたとおり、親としての信念を持っているのなら、それを伝えること自体は問題ないと思います。しかし最終的なところでその価値観を受け入れるかどうかは、子どもたち自身が決めることです。
たとえば、「勉強は、いい会社に入って安定した人生を送るため」だという価値観をあなたが持っていたとします。その意見は誰にも否定できないものですが、子どもがその価値観に従う必要はないのです。
④悲観的なことを言う
似たような事実を伝えるのに、わざわざネガティブな表現を使い、子どもを追い込んでしまう親がいます。たとえば、「もしあの大学に合格できなかったら、こんな困ったことになる」というような表現です。なぜ「あの大学に受かったら、こんな楽しいことが待っている」と伝えないのか、とても不思議です。
ネガティブな表現に囲まれた子どもは、知らず知らずのうちにネガティブな思考回路が形成されていきます。自分に自信がなくなります。 「あの大学に受かったら、こんな楽しいことが待っている」と言われ続けた子どもは、自分の頭の中でも幸せなキャンパスライフを描けますし、親の頭の中にいる自分もきっと笑っているのだろうな、と思います。
一方、「もしあの大学に合格できなかったら、こんな困ったことになる」と言われ続けた子どもは、大学へ行けなかった自分の哀れな姿を思い浮かべ、わざわざそんな想像をする親に対してどこかで不信感を抱きます。
我が子に対して「がんばって志望大学に行ってもらいたい」という気持ちはどちらも同じなのに、親子の信頼関係は真逆の結果に向かっています。たかが言葉一つ、されど言葉一つ。身近にいる子どもだからこそ、日常の表現には気を遣いたいところです。