渋谷音楽図鑑

新たなる都市型ポップスの奔流

7月4日に発売となる新刊『渋谷音楽図鑑』(著=牧村憲一・藤井丈司・柴那典/太田出版)。cakesでは、音楽プロデューサー牧村憲一さんが「フリッパーズ・ギターがいた時代」と「渋谷系へと続く道」を初めて語り下ろした第5章「渋谷系へ」を、本日より特別公開します!!

新たなる都市型ポップスの奔流

 1989年1月。僕は音楽の世界に引き戻されました。そうとしか思えないことがあった。

 ノン・スタンダード解散後の2年間、僕は音楽に接することを避け、当然音楽制作の現場を離れていました。そこから復帰して88年12月にポリスターというレコード会社でプロデューサー契約を結んだ僕は、その翌月に長い付き合いの友人が持ってきた1本のカセットテープを耳にします。

 それはロリポップ・ソニックのライブ音源でした。音質もひどかったし、演奏も下手だった。しかし聴いた瞬間に感じるものがあった。すぐに連絡をとり、六本木にあったマッドスタジオでデモテープを制作、その場で一緒にアルバムを作ろうと提案しました。

 彼らはレコーディングの終了間際にフリッパーズ・ギターと名を改め、89年8月にアルバム『three cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった』でデビューします。グループはファースト・アルバム完成後、小山田圭吾と小沢健二の二人組になりました。

 僕は彼らのプロデューサーとして3枚のアルバムを担当しました。そしてグループが解散した後の92年には、小山田圭吾が主宰するレーベル、トラットリアの設立に深く関わります。

「渋谷系」という言葉を耳にするようになったのはその後のことでした。

フリッパーズ・ギター、3枚のオリジナル・アルバム

渋谷系というムーブメント

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渋谷音楽図鑑

牧村 憲一,藤井 丈司,柴 那典
太田出版
2017-07-05

この連載について

初回を読む
渋谷音楽図鑑

牧村憲一 /藤井丈司 /柴那典

シュガー・ベイブ、山下達郎、大貫妙子、竹内まりや、加藤和彦などの制作・宣伝を担当、80年代後半からはフリッパーズ・ギターをプロデュース。解散後は「トラットリア」を設立――。そんな音楽プロデューサー牧村憲一さんが「渋谷」で出会った音楽、...もっと読む

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コメント

fmeno 本書『渋谷音楽図鑑』は大変興味深かった。ここに描かれた「都市型ポップス」が自分の嗜好に合ってるのだなと改めて思った。それこそ90年代に通学途中に渋谷のレコード店や六本木WAVEに通っていた頃が懐かしい。 5ヶ月前 replyretweetfavorite

cntstaff 【ご注意】『 6ヶ月前 replyretweetfavorite

__orz |渋谷音楽図鑑 https://t.co/SQQyFXT6gK 当時のHMV渋谷店って海外の音楽シーンを意欲的に紹介していたっけ?太田さんの棚は邦楽売り場だったし、マルハンの下だった時は店も狭くて洋楽の品揃えはよくなかった印象 6ヶ月前 replyretweetfavorite

ozw_dog 無料試読 第5章「渋谷系へ」 ・フリッパーズ・ギターがいた時代」 ・渋谷系へと続く道」 6ヶ月前 replyretweetfavorite