フランスは、夏至の前後から気温が37度を超える日もあったりと、猛暑を迎えています。といっても、日本の8月に比べたら足元にも及ばないくらいの、カラッとした過ごしやすい暑さなんですけどね。
ただ、この国はここまで暑くなることがそうそうないので、生鮮食品店でもないかぎり、クーラーがありません。電車やバスのなかは、オーブンで丸焦げにされそうなくらい暑くて、夏が苦手な私はすっかり弱っているのですが、パリジャンたちは、まあ元気に生活しています。
バスの中には「熱中症に注意」の張り紙が。
小さなテロは、パリでまだ続いている
パリといえば、もうすっかり「テロが起こる国」というイメージが定着しているのではないでしょうか? フランスの新聞『シャーリ・エブド』襲撃テロがあったのが、かれこれ2年前。あれから、「パリの治安ってどうなの?」と、夏のバカンスの行き先を決めるなかで、気にする方もいらっしゃるでしょう。
今回のパリジャン十色では、こちらに住んで7年目の日本人移民である私が、肌で感じる今のパリの空気感をお伝えしてみようと思います。 結論から言うと、最近もまだまだテロは起きています。ただ、以前に比べると、規模も被害もずいぶん小さくなってきている傾向です。
最近のテロは単独犯で、一般市民よりも警察や軍人を狙うものが多く、未遂のまま終わるパターンもあります。規模が小さいからか、日本ではあまり報道されていないみたいですね。テロが起きても、以前のように日本から「大丈夫?」なんて心配してくれる連絡は、家族からも来なくなりました。
日本では最近、イギリスのテロが大きく取り上げられていたと思います。私もこのニュースを耳にしたとき、パリでだってテロは起きているのに、不思議と隣の国のテロの方がぼんやりと恐ろしく、不安に感じてしまいました。
きっと、日本でヨーロッパのテロのニュースを見て、海外旅行をキャンセルする人たちの気持ちも同じで、「現地の空気が良くわからない」という不安から来ているのかもしれません。
パリの街中はどんな感じ?
さて、パリの街中の雰囲気はどんな感じかをお話しましょう。 先日、久々にシャンゼリゼ通りを歩いてみたのですが、夏ということもあって、相変わらず世界中から来ている観光客の多さに驚いてしまいました。ただし、やっぱり日本人観光客は、以前に比べて圧倒的に見かける数が減っています。
テロの前と後のパリで変わったことといえば、やはり警察やおどろおどろしい拳銃を持った軍人の存在でしょうか。彼らをとくに見かけるようになったのは、同時多発テロ直後からです。
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