第11回】統計学を武器に事業を伸ばす データ解析ビジネス最前線(後編)

データ解析を縦横に活用したビジネス最前線。後編ではカブドットコム証券、ウェブサービスのグノシー、さらにグーグルなど機械翻訳を手がける各社の事例を紹介する。

カブドットコム証券

自社開発システムで
相場が開く前に
注目銘柄と株価を予測

 「“海洋掘削”の取引がすごいぞ。メタンハイドレートを掘るのは今日だったか?」

 3月12日火曜日、午前8時半過ぎ──。東京証券取引所の相場が開く30分前のことだ。東京・大手町のカブドットコム証券本社にあるスクリーンは、予想株価とともに「今日の注目銘柄は“日本海洋掘削”だ」と告げていた。

カブドットコム証券本社にある6面ディスプレイ。左下の画面が日本海洋掘削の異常値を告げた。Photo by Takahisa Suzuki

 実際にその日、資源エネルギー庁は、世界で初めて「燃える氷」と呼ばれる資源、メタンハイドレートから天然ガスの生産に成功したと公表。国内企業で唯一、掘削工事を請け負った海洋掘削専門会社、日本海洋掘削の株価はストップ高を記録。上場来高値の6480円で取引を終えた。

 メタンハイドレートの海底採取試験については、前週すでに「週明けにも」という報道があり、前日の3月11日から関連銘柄に注目が集まっていたところだったのだ。

 しかし、そんな事情を知らなくても、株式市場が開く前に、その日の注目銘柄が何か、そしてその予想株価までわかってしまう──。投資家にとって夢のような話だが、その夢を現実に近いものにしているのが、カブドットコム証券だ。

 それを実現したのが、「kabuステーション」という情報分析ツール。始値からの値上がり率や高値からの乖離率など、さまざまな分析結果がわかるが、相場が開く前に今日の市場を予測するという点で、特に重要な指標が二つある。

 そのうちの一つが株の「予想価格」だ。カブドットコム証券のシステム担当、中澤康至氏は「“予想価格”と呼んではいるが、正確には今この時点で算出した“未来の事実”」だと説明する。

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t_take_uchi 英語化必要ですか?  5年弱前 replyretweetfavorite