ハングリー精神
アイドルや芸能人を長く取材し続けてきて、気づいたことがある。
はっきり言って、片親の人が多いんですよ。
親が離婚している。幼くしてパパかママが亡くなっている。再婚家庭で血のつながらないきょうだいがいて、親に虐待されたなんて話もよく聞く。
芸能人には片親や複雑な家庭で育った人が本当に多い。プロ野球でサウスポー(左きき)の選手が一般よりはるかに多いってのと似てるかも。そこには何か理由があるはずだ(左バッターの打席は一塁側に近い。イチロー選手が右バッターだったら、内野安打のセーフの確率が減ったろう……なんてね)。
ハングリー精神ってのがある。
おなかがすいた。もっと食べたい。飢えてるから、がんばる。貧しいから、お金持ちになりたい。もっともっと上をめざす。人間の欲望の原点のような精神だ。
たとえば、プロボクサー。きびしい減量や、ハードなトレーニングを要求される超競争社会だ。その上、血まみれになって殴り合うことに耐えられる者だけがチャンピオンになれる。ものすごいハングリースポーツなんだ。
芸能界だって、そうだろう。かつて貧しい家庭に生まれ育って、必死でがんばって、スターになった人がたくさんいる。
だけどね、今や飢えて死ぬほどの貧しい人は、もうこの日本にはいないでしょ?
そこで、片親の子供という話になるんだ。
つまり金銭的なハングリーじゃなくて、精神的なハングリー。そう、心の飢え、ってこと。
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