トンボの目は「どうして見える」? 考える子、考えない子の違いとは?

こどもに「空はどうして青いの?」と聞かれたら、どう答えますか? 答えられない人が多いでしょうか。でもそんなときにはこう答えてみてはどうでしょう?「どうしてだと思う?」と。なにも答えをはぐらかすわけではありません。そうやって、子どもの「探究心」を育てることに意味があるのです。わからないと言われたら、「一緒に考えてみる」。日比谷高校校長の連載第6回。子どもの「探究心」について考えてゆきます。

希望・選抜された生徒が研修でハーバード大学へ。

探究心こそが子どもを伸ばす

 近年、日比谷生に大きな刺激を与えている2つの取り組みをご紹介しましょう。

 「SSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)」と「東京グローバル10」についてです。

 大ざっぱな言い方をしてしまうと、前者は科学者、後者はリーダーを育てるためのプロジェクトです。

 「SSH」は、文部科学省が学校を指定します。テーマは「国際舞台でリーダーシップを発揮して活躍できる科学者の育成」です。申請をするときに「こういう内容でやります」という案を提出し、認められると予算などのサポートを受けられるという仕組みです。

 日比谷高校における「SSH」の具体的な取り組みとしては、まず1年生には全員に課題研究をやってもらいます。自然科学に関する内容を個人またはグループで設定。研究結果を年度末にレポートで発表するという形です。研究する主題については、学校からは指定しません。自分たちで見つけてもらいます。

シダ植物の研究をする子もいれば、コケの研究をする子、トンボの目が見える秘密を調べる子もいます。海の波を利用して、発電する仕組みを考え出そうとする子もいました。

仮説→実験→結果という、科学的手法・思考を身につけることを目的としています。

 日比谷高校が「SSH」の指定を受けたのは2007年からなのですが、この1年生の課題研究に関しては、2016年から学校の単位の一つとして、きちんと位置づけることにしました。

 というのも、私は「伸びる子ども」にとって〝探究心〟こそ極めて大切なものだと考えているからです。授業が学力を、部活が生徒の人間形成を担うとしたら、このような取り組みで探究心をつけてあげたいと考えています。

 というのも、授業の中で、今それを求めるのは非常に難しいからです。授業の時間数は少なく、扱うべき内容は膨大ですから。ゆえに、こうした「SSH」の課題研究や、後述する「東京グローバル10」のような取り組みに期待をかけているのです。 「これは面白い事象だ!」 「なぜ起こるのだろう?」 「もっと調べてみたい」  という子どもたちの好奇心に訴える仕組みが、現場にはもっと求められていると思います。

 2年生になると、希望者の中から12名ほどを、論文と面接、1年生のときの取り組み状況などを見て選抜します。

 この選抜12名は事前学習を経たうえで、夏休みに米国の西海岸やハワイ島へ海外研修に行きます。

 もちろんバカンスではありません。日比谷高校の卒業生や関係者のネットワークを辿り、西海岸のシリコンバレーやスタンフォード大学、すばる望遠鏡があるハワイ島の国立天文台ハワイ観測所など、海外の最先端を見学するツアーを行います。

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武内 彰

東大合格者数を急増させて話題となった、“かつての名門”日比谷高校。2003年には年間たったの3名にまで凋落していましたが、2016年には53名、2017年には45名を輩出しました。この「奇跡のⅤ字回復」の立役者、武内彰校長が、「自分で...もっと読む

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akkiida88 cakesのwebサイトに第7回目の連載が掲載されました。 2年以上前 replyretweetfavorite