やらない理由

結婚したいが、縛られるのは嫌

第12回は「束縛」ジレンマ。未婚者の中には、既婚=独身時代の“自由”を奪われそう。そして既婚者の中には、未婚=独身時代の“自由”が羨ましい。とそれぞれ、結婚について「縛り」のイメージをもっている方が多いと思います。交友関係、金銭、時間、と「縛り」ジャンルもさまざま。でも結婚しない決断はちょっと……。そこで、既婚者・カレー沢薫氏がモヤモヤを晴らします!

結婚したい、その理由は?

今回のテーマは「結婚したいが、縛られるのは嫌」だ。

まず何故結婚したいかによる。
一人の方が好きだけど、将来が不安なので結婚したいというのであれば、婚活より一人で生きていく術を研究した方が建設的な気がする。

結婚せず一人を選び、老後になって寂しいと感じるのは自己責任だが、結婚して面倒を見てくれる子どもを育てなかった奴は全員野垂れ死ねという国はおかしい。
どうせ野垂れ死ぬなら、若い頃ガチャを回しすぎたとか、そういう理由で犬死にすべきだ、これなら満場一致で「必然の死」である、遺体も大学生の自炊初日ぐらい雑に焼いてくれて構わない。

しかし、それ以外の理由、温かい家庭を築きたい、命のバトンを繋(つな)ぎたい等、良さげな動機はあるけれども、束縛は嫌、という場合はどうしよう、という話だ。

そして束縛の度合いにもよる。男性同士の恋愛を描いた創作物を好む等の趣味や、爬虫類(はちゅうるい)以上の異性との接触を禁止するなど、交友関係の規制はされたくないという場合は、そういうことに口を一切出さないタイプというのは結構いるのでそういう相手を探せばよい。

ただし、自分は、男同士のプロレス(性的な意味で)を嗜(たしな)むが、相手が女同士のぶつかり稽古を鑑賞するのは許さんというのはわがままなので、寛容を求めるなら自分も寛容になるべきだろう。

次に金銭的束縛である。
いくら相手が趣味や交友関係に寛容と言っても、それに対し独身時代のように、のべつまくなしに金を使っていいわけではない、たとえ財布が別でも同一家計には違いない、ムチャな散財はご法度だ。

私事で恐縮だが、今年に入り私は、ソシャゲで、どうしても欲しい、推しが描かれたJPEGのために累計25万円ぐらいはガチャに使っている。
しかし、JPEGは手に入らなかった、ただの1枚もだ。それは途中で諦めてしまったからである。私が何故、25万如きで撤退してしまったかというと、家族のことを考えてしまったからだ。

これは、自分の命など惜しまぬ戦いをしてきた戦士が、自分の帰りを待ってくれる存在ができてはじめて死ぬのを怖いと思ってしまったのに等しい。これはそういう泣ける話なのだ。

人生には選択しなければならない瞬間がある
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カレー沢薫

「エッチはしたいが、付き合うのは嫌」。多かれ少なかれ誰もが抱える他人には打ち明けづらい虫のいい話。OL兼漫画家・コラムニストのカレー沢薫さんが挫折と諦めを肯定、それが正しいことだと示す当コラムで、スカッと爽快なメンタルヘルスを目指しま...もっと読む

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コメント

maikomikasa いつもキレキレで大好きなコラム。 3ヶ月前 replyretweetfavorite

chroma1125 https://t.co/fBv3XsytGm 4ヶ月前 replyretweetfavorite

chi_yan0615py |カレー沢薫 @rosia29 |やらない理由 「相手も自分も両親が存命なだけで、関わらなければいけない葬式が2倍になるのだ」これは重い https://t.co/sBhPwutwOW 4ヶ月前 replyretweetfavorite

kous37  「守るものができると人は強くなるというが、このように弱くもなる、少なくとも趣味人としては弱くならざるをえない、家庭を持つとはそういうことだ。」とは名言。 4ヶ月前 replyretweetfavorite