運をよくするには?

アイドルの世界を誰よりも知る中森明夫さんが、アツい思いで書き下ろした『アイドルになりたい!』。だれしも一度は「自分は運が悪いかも」と感じたことがあるのではないでしょうか。もしかすると、「悪運のスパイラル」にハマり込んでいるのかもしれません。9回目となる中森さんの特別掲載、今回は、「運」とは何かが語られます!

運が悪い女の子  

 アイドルとしてブレークするのに、もっとも大切なことがある。  
 それは、運だ。  
 そう言ったのは、秋元康だった。

 1980年代半ばにおニャン子クラブが大ブレークした時のこと。
 歌もダンスもうまくない。ルックスも普通。まったく素人の女子高生たちが大ヒットした。いったい彼女たちは何を持っていたのか?

 「運がよかったんです」
 秋元さんは、さらりとそう言ってのけた。

 なるほどな~、と思ったね。

 あの時代におニャン子クラブというグループが存在して、そこに入れたからこそ芸能界で活躍できた女の子たちがたくさんいる。これはもう運と言うしかない。

 現在のAKB48についても同様なんじゃないかな?
 AKBの一員じゃなければ、これほどブレークしたろうか、という女の子がいっぱいいる。

 人は生まれる時代も、場所も、誰から生まれるかも、自分では選べない。江戸時代に生まれた女の子がアイドルになろうとしたって、絶対無理だ。あたりまえだね。

 アイドルがまったくはやらない時代に、たとえアイドルになれたとしたって、ブレークするのはむずかしいだろう。
 ホント、運ってのは大きいよ。

 で、さて、運をよくするには、いったいどうすればいいんだろう?

 「あたし、運が悪いんですよ~」と言うアイドル志望の女の子の話を、よく聞くことがある。
 オーディションの書類審査に受かったけど、面接の日に用事があって行けなかった。行ったらデビューできたかもしれないのにぃ……。あ~、あたし、運が悪いー、って。

 ダメだな~、この娘はって、思ったよ。
 だって、そうでしょ。面接の日に用事があったって何なの? 自分の夢より大切なことがあったわけ? そんなんじゃ絶対に夢は実現しないよ。

 どんなことがあったって面接に行かなきゃ! 以前、ぼくが面接審査をつとめたオーディションにやってきた女の子は「今日、家が火事で焼けちゃいました⁉」って泣き出したんだ。すごいね~。それは、まあ極端にしても。

 あのね、たとえ面接審査に行けなかったとしたって、行ったらデビューできたかもしれない、運が悪い……と言い続ける思考回路はホッント、ダメダメだ。

 だって、自分がデビューできないのは「運が悪い」せいだって言ってるわけでしょ? だったら今後も夢が実現できないのは、ずーっと運のせいにできちゃうわけじゃん。

 これではダメっすよ。夢なんか実現できるわけがない。さらに運もよくならない。
 自分は運が悪いと思ってる女の子は、どんどん運が悪くなってゆく。  
〝悪運のスパイラル〟と呼びましょう。

運とは何か?

 でね、つまり運って何なのか? ということ。
 それは……出会いの才能だ。

 成功した人ってのは、必ず出会うべき人にいいタイミングで出会ってるんですね。
 いや、人だけじゃない。

 仕事や、オーディションや、イベントとの出会いだったりもする。たまたま行ったイベントで声かけられて、デビューする女の子だっています。ここで重要になるのが、出会っていることに気づくということだ。わかるかな?

 あのね、ニュートンはリンゴが落っこちるのをたまたま見て、重力の法則を発見したって話がある(これが事実か伝説かは、まあ、この際、置いとくよ)。

 この話のポイントはね、つまりニュートンはずっと重力の法則のもとになるようなことを考え続けていたってことなんだ。そこに、たまたまリンゴが落ちるのを見て、パッとひらめいたってわけ。リンゴはジグソーパズルの最後のワンピースにすぎなかった。

 もし、ニュートンがそれまで何も考えてなかったら、リンゴが落ちるのを見ても、ああ、おいしそうだな~とつぶやいて、終わりだったかもしれない。

 ニュートンは考えることによって、出会いの準備をしていたんだ。リンゴが落ちるのに出会って、それが重要な出会いだってはっきりと気づけた。おかげで、歴史に残る発見ができたんだよ。

 だから、きみも出会いの準備をしなければならない。出会ったときに、それが自分の運命を変える出会いだって気づかなければ……いや、気づけなければいけない。

 運がいいってのは、自分の運のよさに気づけるってことなんだ!

 IMALUってタレントがいるよね。本名は、いまる。

「いきてるだけでまるもうけ(生きてるだけで丸儲け)」
 そんな思いをこめて、父親の明石家さんまさんが名づけたと言われている。

 そうなんだ。生きてるだけで丸もうけなんだ。
 きみは運がいいんだよ!

 だって生きてるじゃん。この時代に、この国に生まれて、自分の夢であるアイドルになれる可能性があるんだよ。

 めちゃめちゃ強運の持ち主じゃん。
 ねっ、そうでしょ?

 運がよくなるってのは、自分の運のよさに気づくってことさ。すると、きみはどんどん運がよくなってゆく。 〝幸運のスパイラル〟と呼びましょう。

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アイドルになりたい!

中森明夫

「アイドルとは、『好き』になってもらう仕事」--。アイドルの世界を誰よりも知る作家/アイドル評論家の中森明夫さんが、満を持して放つ『アイドルになりたい!』。中森さんだからこそ語れる、アツくて深い言葉たち。「アイドルになりたい人」だけで...もっと読む

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コメント

GeeeeN2525 ほんとこれはもうマインドの問題だよねってよーく思う。 自分って運がいいなって思っておいたほうが絶対良いことは多いよ。 3年以上前 replyretweetfavorite

PedoroEndou え! 中森明夫先生アイドル評論家になっていたの!∑(゚Д゚) 3年以上前 replyretweetfavorite

marekingu 「悪運のスパイラル」と「幸運のスパイラル」 https://t.co/j4asvFnRWQ #スマートニュース 3年以上前 replyretweetfavorite