すべてのジャンルはマニアがつぶす
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
先日、ある方から「ボサノヴァを聴いてみたいんですけど、なんか難しそうで」と言われました。音楽を聴くのに「難しそう」って変ですよね。今ならYouTubeで「bossa nova」適当に好きなのを聴いて色々とチェックすればいいだけなのに、「難しそう」ってやっぱり変です。
だって、「AKBを聴いてみようかなって思うんだけど難しそうで」とか「エグザイル周辺を色々聴いてみたいんだけど、色んなグループやメンバーが難しそうで」って誰も言わないですよね。でも、ボサノヴァとかジャズとかソウルとかクラシックとかだと、「何か難しそう」ってみなさん感じてしまうんです。
それってこういう理由だと思うんです。例えばジャズを聴こうと思って、ジャズ紹介本とかサイトとかを見るとします。そしたら書いてあることが面倒くさいんですよね。「これはジャズと言えない」とか「この時期はソウルにも商業主義がはびこり」って書いてあって、文字通りの音を楽しむ雰囲気じゃなくなっているんです。
あるいはその紹介本をアマゾンで買おうとチェックしたら、「もっと歴史的な経緯についてふれてほしかった」とか「書いてあることは面白いのだが、人名のカタカナ表記が残念」ってレビューされていて、☆一つがズラリとあったりすると、確かに「なんか難しそう」とかって思ってしまいますよね。
こういう現象を新日本プロレスの木谷高明オーナーが「すべてのジャンルはマニアがつぶす」と言っていました。そのジャンルが面白そうで入っていこうとする初心者をマニアが入り口で潰してしまうんです。そしてマニア同士がジャンルの中で喧嘩をして、そのジャンルが潰れてしまうのだと思います。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。