第8回】社会の実像をあぶり出す「グラフ化」の技法

データを整理・分析・加工する代表的な手法であるグラフ化のコツを伝授する。監修・本川 裕( 「社会実情データ図録」主宰、アルファ社会科学主席研究員)

本川 裕(ほんかわ・ゆたか)/1951年生まれ。東京大学農学部農業経済学科卒業。財団法人国民経済研究協会常務理事研究部長を経て、アルファ社会科学 主席研究員、立教大学兼任講師、「社会実情データ図録」主宰。著書に『統計データはおもしろい!』『統計データはためになる!』(いずれも技術評論社)が ある。

 統計分析の基本中の基本。それがグラフ化です。

 数値データをグラフ化する意義としては、第1に「わかりやすさ」が挙げられます。

 例えば、東日本大震災で起こった個別地点での津波の高さは、棒グラフ(図2‐2参照)で表せば、一目で比較できます。数字を見るより、グラフで視覚化したほうが理解しやすいのは言うまでもありません。大きさ、高さ、時間、金額、人数などの数量を表すとき、素朴だからこそ、最も実感の湧く表現方法が棒グラフです。

 さらに、単なる数字の羅列ではなくグラフによって視覚化されることで記憶しやすくなります。「覚えやすさ」がグラフ化の第2の意義です。会議で見たグラフを思い出して電車の中で重要な意思決定をすることだってあります。

 また、第3に、見た目にインパクトのある優れたグラフは、「コミュニケーションの手段」にもなります。企画書にグラフが多用されるようになったのもそうした理由からでしょう。壁に張り出された営業成績のグラフも、営業マンの共同行動のきっかけになります。

 足して100%となるような構成比(シェア)を表すグラフには、円グラフと帯グラフがあります。

 「パイの取り合い」といった言葉があるように、円グラフはシェアを表すのに最も適した表現です。

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データに基づき、論理的に正しい意思決定を下す。統計学は今や、ビジネスマンにとって必要不可欠なツールだ。この最強の武器を使いこなすための基礎知識を、文系にもわかりやすく解説。樋口知之・統計数理研究所所長、本川裕・アルファ社会科学首席研究...もっと読む

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コメント

t_take_uchi なるほどと読み取れる事実が・・ 5年以上前 replyretweetfavorite