4つのスパイスで作るシンプルなインドカレー
—— 前回は、「ファイナルカレー」がどうして究極のカレーなのか、ということとや、欧風カレーのポイントについて伺いました。
続いて、インドカレーのポイントを教えていただけますか? つまり、スパイスをつかったカレーですよね。
水野仁輔(以下、水野) そうです。スパイスからつくるインドカレーは、最近のトレンドなんですよね。
—— そうなんですね。ルウを使ってつくる、コクと旨みの欧風カレーに対して、インドカレーは、スパイスで本格的な風味を出したカレーですよね。
水野 ええ。インド料理の真骨頂は、スパイスの香りで素材の味わいを引き立てること。つまり、スパイスと素材の味のカレーですね。
さっぱりして毎日食べても飽きないインドカレー
—— 今回のレシピは、極めてシンプルなものにしていただきました。
水野 そうですね。なにしろスパイスが、4種類ですからね。一番大事な、コリアンダー、クミン、ターメリック、レッドチリパウダーの最低限の4つだけしか使ってません。
—— 他の材料も少ないですよね。
水野 鶏肉と玉ねぎと生姜、ニンニク、あとトマト。だから本当にシンプルなんですよね。
インドカレーの材料
—— それなのに、すごくおいしいのがすごいです。
水野 そうなんですよ。これで十分おいしくなるんです。
玉ねぎを飴色に炒めるには、15分でいい
—— あと、インドカレーで披露しているアメ色の玉ねぎ炒めはすごいですね。
水野 カレーを作る人が一番感心のあるテーマですから、玉ねぎ炒めは。
—— 焦がさないように気をつけながら炒めて、休まず2時間とか木べらでかき混ぜ続けなきゃいけないみたいなイメージでした。でも、水野さんに教えてもらってから、その感覚がまるで変わりました。
水野 強火でうまくすると、15分以下でできるんですよね。
—— 水野さんは10分ぐらいでやられてますよね。
水野 量にもよりますが、慣れれば強火で10分でアメ色にできますね。
—— しかもわりと放置気味という。
水野 玉ねぎ炒めって、みんな一番がんばって疲弊するところなんですよ。この本はそういう人たちを解放すると思いますよ。全国の玉ねぎ炒めに苦しむ人たちを。これ読んだら「なに? こんなに簡単にいけるわけ?」ってなるわけですから。
—— たしかに、革命的に簡単ですよね。
水野 2時間とか炒めていたのが、15分でいいの?ってなったら、一本くらい映画みるか、なんてなってきて(笑)。そうなると、今日はいい日だったなとか、すこし心にゆとりが出るわけじゃないですか。
—— でます、でます。
水野 本格的なカレー作りで疲弊している全国のみなさんの日常生活が、充実する可能性すらありますよね。子供とか増えるかもしれないですよ。
—— たしかに(笑)。
水野 日本を豊かにする玉ねぎ炒め。
—— はははは、素晴らしいです。あとインドカレーで感心したのが、煮込み時間が結構短いんですよね。30分でいい、と。
水野 これは鶏肉だから、本当に煮込み過ぎない方がいいんですね。
—— その、煮込み時間についてだけで、これまた見開きのコラムがあるという(笑)。
水野 ええ、「煮込めば煮込むほどおいしくなるという誤解」というコラムを書きました。具材とスープのおいしさのバランスについて、図式化しています。
ファイナルカレーは欧風とインドのいいとこどり
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