結婚しても孤独は消えない

ここ数回「孤独」について語ってきたパリジャン十色。今回は、中村さんが結婚して気づいた、絶対に逃れられない孤独についてのお話です。独身時代、結婚すれば孤独ではなくなると考えていた中村さんですが、現実にはそうではなかったと言います。そのわけは……?

パートナーに先立たれた人たち

前回、人生の半分以上をパリで生きている日本人女性が、「死ぬときゃみんな、一人じゃないの」と語っていたことを紹介しました。

私が仲良くしてもらっている在仏歴の長い日本人の方々の中には、今年だけでも二人の方が、長く連れ添ったパートナーを亡くしています。そうした不幸が起きる度に、私は残された方に一体どんな声をかけていいのかわかりません。

他の高齢の仲間たちは、何気なく肩に触れては「最近一人でも大丈夫? 元気にやってる?」なんてサラリと声をかけ、やさしく励ましたりしています。こうした仕草は、長く生きた経験があってこそできることだなぁと感動しつつも、私はただ遠巻きに見ているだけ……。

パートナーに先立たれた不幸を話題にする勇気もなく、「とんでもないことが彼女の身に起きたんだ!」という動揺を隠すのに精一杯。でも、本心は「パートナーに先立たれるって、どれほどの悲しみなんだろう?  彼女はこれから先、どうやって生きていけばいいんだろう?」と気になって、話をしたくてしようがありません。

今回は、私がずっと気になっていた「パートナーに先立たれる」という未体験の孤独について、ある女性から話を聞く機会があったので、紹介してみようと思います。

結婚しても孤独は消えなかった

まずその前に、どうしてそんなに私がパートナーに先立たれることに動揺し、そのときの気持ちを知りたいと思うのかについてお話します。それは、私が結婚してから気がついたある孤独に理由があります。

日本で婚活に夢中になっていた頃、私を婚活に駆り立てる一番の動機は、孤独からの逃避でした。「私、このまま結婚しないで、ずーっと一人で年をとっていくのかな?」 「結婚相手も子供もいないで、一人で孤独死するのかな?」という答えのない問いと、沸き上がる恐怖に押しつぶされそうになって、その孤独から逃れるためには結婚しかない!と思い込んでいたのです。

だから、結婚がすべての問題を解決する完全無欠なものとして光り輝いて見えていたし、逆に言えば「結婚できない=闇、孤独、恐怖」に見えていたのです。

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パリジャン十色

中村綾花

“花の都”と称され、雑誌やテレビでもその優雅なイメージが特集されることの多い、フランスの首都・パリ。パンやスイーツはおいしいし、ファッションは最先端だし、歴史ある建物たちも美しいし、住んでいる人もおしゃれな人ばかり……と思いきや、パリ...もっと読む

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コメント

MizzouYoshiko 確かに、そうだなぁ~✨ 25日前 replyretweetfavorite

iso057 パートナーが死んだらどうしよう、どころか何ができるだろう、とwktkしてしまう。母が生きてた時も「父が死んだら母と何しよう」ってwktkしてたな。 27日前 replyretweetfavorite

restart20141201 「それはね、自分をしっかり持ってないからよ」と… 28日前 replyretweetfavorite

moe_sugano 「孤独」じゃなくて「孤高」に生きることを意識するといいのかもしれない。> 28日前 replyretweetfavorite