女優の「肌」と出会う旅。
ーこれはサディスティックな何かではないー

【第5回】演劇作家は夢をみる。滅多に出会うことのない、理想の「肌」を追い求めて。世にいう美肌なんか目じゃない。きれいに化粧をほどこしても、彼の前では意味がない。なぜなら・・・。

顔を埋めたくなるくらいの「肌」には滅多に出会うことはできないわけだが、だからこそ出会うためには必死だ。ひとそれぞれ、理想の「肌」というものがあるだろうから、すべてのひとが異なったルートでなんらかの「肌」と出会うのだろう。もちろん、人間の「肌」が到達点じゃなくてもいい。樹木の「肌」しか愛せない人だっているとおもうし。価値観みたいなものを統一するのは大変だとおもうんだけれど。

ひとつのラインとして、まずは抗(あらが)えない「肌」が好きかどうか、っていうのはあるとおもう。わかりやすいところでいえば、老いによって隠せない手の甲の皺(しわ)とか。青く浮き出た血管とかが有りかどうか。そこまでいかないくらいの「肌」も、ぼくはたまらない。これからの数年間でどんどん皺が増えていくのだろうな、と。予感させてくれるような観察し甲斐のある「肌」は、見届けるまでは死ぬわけにはいかないと否応なしだ。

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コメント

yukihgs とてもよくわかってしまうような。 3年以上前 replyretweetfavorite

consaba 藤田貴大「ぼくの祖母は今日もきっと、夕方になったらよたよたと台所に歩いていって、きゅうりやなすを切るのだろうけれど。あの野菜をおさえる、ちいさな左手だ。」 3年以上前 replyretweetfavorite