第4回】俗説バスター・統山計子(後編)

この世にはびこるウソを、数字や統計で見抜き、粉砕する。俗説バスター統山計子の次なるターゲットは、環境問題、交通事故、少年犯罪、そして……じゃんけんの勝率まで!?

意見分かれる環境問題
怪しい時は引用元当たれ

 カッコ~ン。静寂の中に響き渡る鹿威(ししおど)しの音。近所の口うるさいおばさんのしつこさに負け、計子は嫌々、お見合いの席にいた。

 「ったく、なんで、おばあちゃんまで来るのよ……ぶつぶつ」「仕方ないでしょ計子、お父さんが急に風邪ひいちゃったんだから。すいませんねえ、お義母さん」「いえ、結構ですよ。私も存分に品定めさせていただきますから」

 「え!?」。計子以上に数字や統計にうるさい祖母だけに、母の脳裏には一抹の不安がよぎった。

 お見合い相手の男、金山金男はここらでは有名な地主で、家業の不動産業を継いでいる。常ににやついている小太りで、お世辞にも美男子とはいえない。

 「いや~、まったく、今年は急に空気が汚くなって、たまりませんなあ。中国のほれ、にーてんご、でっか? 臭いますわあ、空気が」。東京生まれ東京育ちのはずだが、金山は鼻をクンクンさせながら、うさんくさい関西なまりで切り出した。

 シーンとしてしまった場を和ませようと、計子の母親が無理やり受け答えする。「そうですねえ、ほんと、環境問題って頭が痛いですわね。私も毎朝、缶や瓶、ペットボトルの仕分けやらで時間を取られてしまってもう……」。

 金山は遮って「あ、お母さん、それ、意味ないでんなあ。ペットボトルって仕分けても結局一緒に燃やしちゃいますし、再利用していないって、テレビでおエラい先生が言うてはりましたわ」。

 イライライラ……。計子が「あ~! もう、ほっ統計(とけ)ない!」と言おうとした瞬間、「たわけー! もう、ほっ統計(とけ)ぬわ!」と叫んだのは祖母だった。

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最強の武器「統計学」【2】~もう、ほっ統計(とけ)ない!—統計的思考を鍛える

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「この世にはびこるウソを数字や統計を使い、ぶった切る! 俗説バスター統山計子参上!」――数字や統計を使って“見抜く”力の必要性を、ストーリー仕立てで解説。またコラムでは、統計学の視点から、2大ギャンブル・パチンコと宝くじの「上手な負け...もっと読む

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