アイドルを仕事にする
アイドルとは何か? きみはやっとわかった。
もう昨日までのきみじゃない。大きく変わったんだ。
アイドルになりたい!
そう言う時、きみは自分がなりたいものの正体を、今ではよく知っている。
けれど、いや、ちょっと待ってほしい。
アイドルになる ……って、いったい、どういうことだろう?
いいかい? つまり、それは アイドルを仕事にする
ということだ。
きみにとって、今、アイドルは夢かもしれない。あこがれかもしれない。
でも、夢やあこがれのままでは、決してアイドルにはなれない。
わかるよね?
夢をつかむということは、つまり、夢を仕事にするということなんだ。
じゃあ、仕事とは何だろう?
職業。労働。ワーク。職人。プロフェッショナル。いろんな言い方があるけれど。
ざっくり言うよ。
それによってお金をもらうということだ。
趣味とは違う。
責任は重いし、さまざまな人たちと関わる。
たとえば、アイドルになるために芸能プロダクションへ入る。そこにはマネージャーがいる。社長や、管理職や、事務の人たちだっているだろう。多くの人たちが、そこで働いている。
アイドル歌手としてデビューしたとする。きみが唄う歌を作る作曲家や、作詞家や、あるいは振りつけ師や、音楽ディレクターや、たくさんの人たちがきみのために働いてくれる。
さらにはテレビ番組に出るにはテレビ局の人たちが、ライブをやるにはライブ会場のスタッフたちが、グラビアに載るにはカメラマンや出版社の人たちが、そう、より多くの人たちの力が必要となるだろう。
アイドルという仕事は、こうしたたくさんの人たちの力によって支えられている。
それらをひっくるめて、いわゆる〝芸能界〟と呼ばれているよね。
きみが「アイドルになる」ということは、「芸能界の一員として働く」ということなんだ。
仕事というのは、働くことによってお金をもらうことだと言ったよね。
それは、働くことによって「社会とつながる」ことだ。
えっ、社会? 何それ?
な~んて首をひねったかもね。
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