健康的な肌がチャンスを生む
最近、男性のスキンケアに対する意識の高まりをにわかに感じます。流行しているというよりは、ケアをするのが習慣であり常識である世代が台頭している実感があります。
女性もそうした風潮を歓迎している節があることはアンケートから見て取れます。株式会社マンダムが問いかけた「男性の肌がキレイだと、距離感が近くなりますか?」という質問に対し、336人中、実に7割もの女性が「肌がキレイだと距離が近くなる」と回答しています。イマドキの女子はやはり、肌が美しい男性を好む傾向にあるようです。
だからといって私は「女性に媚びましょう」「女性の意見を男性以上に尊重しましょう」と言いたいわけではありません。男女のどちらが偉いという話ではありませんから。
ただ、女性の社会進出を政府が後押しし、実際に職場の女性率も上がり、女性が企業のキーパーソンになることもめずらしくない昨今、改めて「女性の意見」を無視できない世の中になっていることは間違いありません。そもそも会社での仕事は、大半がコミュニケーションを必要とするもの。男性がどうの、女性がどうのという前に、おたがいに気分よくコミュニケーションを図りたいですよね。
それでも強いて男女の傾向の違いに言及するなら、多くの女性は男性以上に衛生面に敏感で、相手に対する印象や感情が先行する一面があります。女性である私が言うのもなんですが、こればかりは脳の構造の違いによるものなので、理解していただくしかありません。
ケアすることは「自分をよく見せる」だけではなく、人と人とのコミュニケーションをスムーズに運ぶもの。そして何より「未来の自分を形造る」こと。自分を大切にしながら「相手への敬意や思いやり」を表すことでもあるのです。特に女性は衛生面にシビアな視点を持っています。その基準を理解していると、自ずとビジネスでは周囲への配慮が行き届いた人物として好印象を持たれます。
さらに身だしなみを整える上で、特に大切なのがスキンケア。この本を読んでいるあなたなら「男性には不要」という考え方はないでしょう。チャラい、女々しいといった偏見はこれを機に無視してください。あなたがスキンケアをすることは自分のためだけでなく「最低限のエチケット」であると理解しているはずです。自信を持ってこれから私がお伝えしていく内容を学び、習慣化してください。
洗顔は水を使わず泡を転がすのが正しいやり方
みなさん、洗顔はされていますよね。その際、水ではなく熱めのお湯で洗顔していませんか。たしかに冷えこみの厳しい冬の朝だとお湯を使いたくなります。あるいはお風呂で体を洗う時に、ついでに顔を洗ってしまう人もいるかと思います。その方がラクですからね。
でも気をつけてください。熱いお湯で洗顔すると肌が乾燥します。湯船にためる温度と同じ、40~42℃くらいのお湯で洗顔してしまうと、肌に必要な潤いまで流してしまうからです。
冬場に手が荒れている主婦のCMを見かけませんか。あれはきっと、そういう方に熱いお湯を流しながらお皿洗いをしている人が多いからでしょう。お肌が弱い自覚がある場合はゴム手袋をして洗っているケースもありますが、素手を熱いお湯にさらし続けると、肌の潤いが損なわれやすくなります。
もう少し例を挙げると、油を引いたフライパンを洗う時、お湯だと流れやすくなりますよね。つまり油というのは熱の力でゆるくなって流れやすくなるんです。
脂質が含まれるヒトの潤いも同じです。熱の力で流れやすくなる上、ゴシゴシこすれば、ますます肌に本来必要だったはずの脂質が流出してしまいます。加えて洗顔ブラシまで使ってしまったら、0・01ミリほどしかない薄い角質層は荒れてしまうでしょう。そうでなくても、もともと男性は毎日のシェービングで肌を削っているようなものなのですから。
洗顔に理想的なのは32℃くらいのぬるま湯です。イメージとしては「夏場に水道の蛇口から出るぬるい水」くらい。逆に冷たい水でもダメで、それだと毛穴が締まり、汚れが取れにくくなってしまいます。まずはぬるま湯で洗い、最後に水ですすいで毛穴を引き締める、という順序であればかまいません。
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