つぶつぶマッシュポテトたっぷりのミソスープ

いまが旬の新じゃがいも。簡単につくったマッシュポテトに具なしのみそ汁を注ぐだけ。バターが香る新鮮なじゃがいもの風味が、みそ汁と共に味わえる一品です。
スープ作家の有賀薫さんによる、旬の素材をたっぷり味わうベーシック・スープのレッスンをお楽しみください。

たっぷりのマッシュポテトを、スプーンで混ぜながら食べる味噌汁。

じゃがいもの味噌汁といえば、定番中の定番ですね。おいしいことは保証済みですが、今日はこの見慣れたお味噌汁をがらりとおしゃれに、しかもさらにおいしくイメージチェンジさせましょう。
じゃがいもをつぶしてマッシュポテトを作り、これを味噌汁の具にするのです。

今回のマッシュポテトは簡単版です。へらでざっくりつぶしてバターを混ぜ込むだけで、粒が少し残った感じが、味噌汁にぴったりなのです。

春先から初夏にかけ、産地をずらしながら比較的長期間出回る新じゃがいも。みずみずしい香りや味が溶け込んだお味噌汁を楽しんでください。

いつものだしと味噌、じゃがいもで、こんなに新鮮な味噌汁ができるということに驚くはずです。


マッシュポテトの味噌汁

材料(2人分) 所要時間 約25分

じゃがいも 中3~4個(約400g)
バター 20g
味噌 大さじ2
塩 少々
好みのだし 400mL

作り方

1. 素材の下ごしらえ
じゃがいもは洗って皮をむき、半割りにしてから1cm幅に切る。★1
切ったじゃがいもを鍋に入れ、水をひたひたに注いで塩ふたつまみを加え、中火にかける。

2. マッシュポテトを作る
蓋をして約10分したら蓋をとり、そのまま煮ながら、残りの水分を飛ばす。水分がなくなったら、へらなどでじゃがいもをつぶして、熱いうちにバターを混ぜる。★2

3. 味噌汁を作り、仕上げる
好みのだしを別の鍋であたため、味噌を溶いて具なしの味噌汁を作る。2のマッシュポテトをお椀に盛り、脇から味噌汁を注ぎ入れる。★3


レシピのポイント解説

・じゃがいもについて
・マッシュポテトの作り方
・味噌汁と、盛り付け方

ポイント1.新じゃがいもについて

「新じゃが」というと、コロコロ小さなサイズのじゃがいもを思い浮かべますが、大きくても小さくても、収穫したてのものは新じゃがと呼びます。

今回は中玉から大玉の新じゃがいもがおすすめです。味は変わりませんが、剥くのがすこし大変だからです。もちろん、少し手間ですが、小玉の新じゃがでも大丈夫ですよ。

新じゃがは水分が多く、じゃがいも特有の香りが高いのが特長です。マッシュポテトにすると、貯蔵したじゃがいもに比べて、フレッシュな味わいのマッシュポテトになります。品種はお好きなものでよいですが、くずれやすい男爵を使ってみました。

じゃがいもの保存に日光は厳禁で、日に当たると緑色に変色してしまいます。緑の部分は有毒なので、皮をむくときは残さないようにしましょう。

選ぶときは、皮が薄くきれいなものを

皮をむいたら1㎝幅ほどに切ります。新じゃがは買ったばかりのものなら芽は出ていないはずですが、少し置いてしまって芽が出てしまったら、取り去ります。

持っているなら、皮むきはピーラーがらくちん

半割りにしてから1㎝幅に切ると、早く煮え、火の通りも均一になる

ちなみに、レンジ加熱は楽なのですが均等に加熱しにくく、ムラができやすいので、この調理にはあまりおすすめしません。

ポイント2. マッシュポテトの作り方

じゃがいもをゆでるときのポイントは、水を多く入れ過ぎないこと、火が通ったら水分を完全に飛ばすことの2点です。

じゃがいもの頭がちょっと出るかなぐらいの「ひたひた」の量で、煮始めます。

このぐらいの量が「ひたひた」。塩もここで加える

蓋をして、中火で加熱します。10分加熱したら、蓋をとり、竹串を差してみます。この時点で、かなりやわらかくなっているはずです。

もう、かなり水分も減っている

さて、ここからは蓋を開けて、水分を蒸発させていきます。

鍋の大きさや厚み、最初に入れる水の量、じゃがいもの大きさなどの違いにより、水の蒸発には差が出ます。鍋の大きさや厚さを変えてやってみたところ、火をつけてからすっかり蒸発するまで、13分~20分と、かなりの幅がありました。

じゃがいもが十分やわらかいのにまだ水がたくさんあるようなら、一度ざるにあけて湯を捨て、再度鍋に戻してもOKです。

水がなくなっても、まだじゃがいもは水をたっぷり吸っています。鍋をゆすったり、木べらでざっくりと混ぜながら水分を飛ばしましょう。

最初のうちはベタベタ、水っぽい

水分が抜け、ほくほくした感じになってくればOK。

火を止めます。この時点で、もう半分ぐらいはマッシュ状態になっているぐらいです。

じゃがいもをつぶすには、ポテトマッシャーという専門の道具がありますが、木べらで十分です。丈夫なレードルがあれば、その背でつぶしてもかまいません。

つぶれ残りがあるぐらいでOK

レードルでもつぶれるぐらいの柔らかさ

目指すのは、なめらかでクリーミーなマッシュポテトではなく、ざっくりと粗つぶしした素朴なマッシュポテトです。
そのことによって、じゃがいもが味噌汁に全部溶けてしまわず、粒の部分の食感も楽しめます。

このぐらいのつぶし方でOK。熱いうちに手早くバターを混ぜる

ポイント3.味噌汁と、盛り付けについて

味噌汁のだしはお好きなものを使ってください。だしパックや顆粒だしでも構いません。具は入れずに味噌だけで大丈夫。マッシュポテトは薄味なので、気持ち濃い目でもいいと思います。

マッシュポテトは味噌汁の鍋に入れると、あっという間に溶けてしまいますので、器にポテトを盛って、脇からそっと味噌汁を流し入れるようにします。他の料理があるときは、すべてそろってからです。

ポテトの山をスプーンでくずしながら食べてみてください。香り高いマッシュポテト、じゃがいもが溶けた味噌汁、そして溶け残った粒の食感。それぞれにじゃがいもの魅力がたっぷり引き出されています。

じゃがいも、バター、味噌の三位一体。風味豊かな味噌汁に

マッシュポテトにはバターが練り込まれています。そのため口に入れたとき、じゃがいもやみその香りと一緒にバターの香りがふんわり感じられます。味噌バターラーメンを思い出す方もいるのではないでしょうか。

なめらかなポテトが味噌汁に溶けるとじゃがいもポタージュのようになり、また残ったじゃがいもの粒も楽しめて、ひと椀で様々なじゃがいもの食感を味わうことができる味噌汁です。

マッシュポテトにいろいろかけて楽しくアレンジ!

マッシュポテトと相性がいいのは味噌汁だけではありません。トマトスープやクリームスープなどをかけて食べると、また違った味わいでおいしいのです。市販のカップスープなどをかけても手軽でいいと思います。

マッシュポテトのトマトスープ

マッシュポテトはまったく作り方が同じで、ベースの部分をトマトスープに変えたものです。

上から粉チーズをひとふり

マッシュポテトの塩鶏スープ

塩と胡椒をまぶして1~2日置いた塩鶏でとっただしをマッシュポテトにたっぷりかけ、鶏肉を添えます。鶏とじゃがいもの相性がバッチリ。

鶏肉のだしにじゃがいもが溶けると洋風のじゃがいもポタージュに

はつらつした若々しさが感じられる、初夏の新じゃがいも。いろいろなスープと組み合わせて、じゃがいもの魅力を引き出してみてください。


スープのレシピや研究成果を発表している有賀さんのnoteはこちら!


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スープ・レッスン

有賀 薫
プレジデント社
2018-09-27

この連載について

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スープ・レッスン

有賀薫

野菜、お好きですか? おいしい旬の野菜を手に入れたら、ぜひシンプルなスープで味わってみてください。旬の野菜をたっぷり食べる、究極のベーシック・スープをスープ作家の有賀薫さんが教えててくれます。

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コメント

kuu000999 有賀さんのじゃがバタマッシュ味噌汁からヒントを得ました。これは何回か作ってますが神レシピです。本当に美味しい。https://t.co/FFDZIElaZb 約1年前 replyretweetfavorite

kirin100 今日はこれを作った。じゃがいもおいしい。食べごたえがあって、楽しくて、よいものでした。 2年弱前 replyretweetfavorite

kaorun6 昨年の記事ですが、ちょうど新じゃがの季節なのでリンク貼ります。マッシュポテトって贅沢なたべもの。‖ 2年弱前 replyretweetfavorite

honya_arai 新じゃが買えたら作ろうと思ってたの→ 約2年前 replyretweetfavorite