エロじゃない、女の子のヌードが撮りたかった。

2009年よりフリーランスのフォトグラファーとして活動を開始し、女性誌でも大活躍の花盛友里さん。2014年の写真集『寝起き女子』に続き、「女性はどんな人でも、キレイであることを伝えたい」との考えから、『脱いでみた。』を刊行したばかり。なぜ“女性が撮るヌード”にこだわるのか。女性のハダカを撮りはじめたきっかけや、その魅力について聞きました。

女の子の存在が、全部好き。いいところを見つけて喜ばせたい

— 花盛さんは、どのような経緯で写真を撮りはじめたのでしょうか?

花盛友里(以下、花盛) 中学2年生くらいの頃から、写真に興味を持ちました。本格的に撮影をはじめたのは、専門学校に行ってからです。その頃から、モデルに女の子を選ぶことが多かったですね。

— ほかの被写体よりも、女の子を撮りたいと考えたのは、何かきっかけがあったんですか?

花盛 きっかけになることは特になくて、もともと女の子の存在自体が可愛いと思うし、好きだからかもしれません。

— 女子のどんなところをいいなと思ってカメラを構えていますか?

花盛 どういうところやろ……わかんない、全部好き(笑)!
全体的なフォルムも雰囲気も、服のおしゃれな着こなし方や可愛い下着を身につけているところも好きだし、男の人を撮るときよりもずっとテンションが上がります。

花盛 彼女たちが可愛いから嬉しくて楽しくて、その子の可愛いところをぜんぶ撮って、喜ばせてあげたいと思うんです。「撮ってもらってよかった」と、思ってほしい。
みんなこんなに可愛いのに自信を持てないでいるから、写真で改めて自分を見ることで、「自分には、こんな面があったんや」とか「この写真はすごく好き!」と少しでもポジティブに思ってもらえたらいいなって。

パッドの入ったブラ不要論。ヌードは「商品」にしなくていい

— 新刊『脱いでみた。』では、女の子が本来持っている美しさや柔らかさ、セクシー感が印象的です。いわゆるグラビアっぽい、男性目線のセクシーには寄っていない印象を受けます。

花盛 あえてそう撮らなかったというより、男性目線の写真はすごく不自然やなって(笑)。女の子たちは、普段あんな表情やポーズをしないですよね? そんなに脚開かないし、ヌルヌルなシーンもないし(笑)。なんていうか、すごく「商品」っぽく感じてしまいます。

— 確かに。グラビアに載っているのはファンタジー要素が強い気がします。

花盛 もちろんグラビアみたいな形があってもいいと思うし、否定してるわけではないんですけど、それだけが女性の魅力じゃないと言いたくて。グラビアに出ている女の子がしているポーズは、女性から見ると、なんだかおもちゃとして扱われているみたい。
下着やヌードは性の対象だけではなくて、もっと自由でいいんじゃないかな。服を着ているのと同じように、自然に撮れたらいいなって思います。

— 本のなかでみなさんが身につけている下着も、勝負下着ではなく普段づかいの可愛いものですね。こちらは、どんな基準で選ばれたのでしょうか?

花盛 とりあえず、パッドやワイヤーの入った胸がモリってなるようなものはダメです!

— え! パッドもダメですか!? 盛れるものなら、ちょっとでも盛りたい気がしてしまいます……。

花盛 (笑)。おっぱいを盛るためのブラが苦手で。パッドが入ることで、せっかく全員違うはずのフォルムがみんな一緒になってしまうのももったいないなって思ってしまう。小さいのも、左右でかたちが違うのも、そのままでいいのに。
あと、男性のために大きく見せるんじゃなくて、自分のためにもっと下着を楽しんでほしい。繊細なレース使いとか、淡い色使いのものとか、自分のための下着選びってすごくテンションが上がります。
究極、好みの問題ですけど、パッドが入っているものは1枚も使ってません。ワイヤーが入っているものも、どうしてもほかにいい色のブラが見つからなかったときの1、2枚くらいかな。

みんな、自分のキレイなところに気づいてほしい

— なるほど。下着を脱いだ時の、肌に跡がついたままなことも新鮮です。グラビアなどでは、こういったラインはないことになっていますよね。

花盛 そうですね。ブラの線も脱いだときについているものは、消さないようにしています。ホクロやニキビ、アザも消そうと思えばなかったことにできるけど、そのままです。

— それは、あえて残していると。

花盛 普段の仕事では過剰にレタッチすることも多いんですけど、レタッチした写真を見て、撮られてる子はどんな気持ちになるんだろうなって。

— 確かに。お肉を削って脚を細くしたり、ホクロを消したりって、その人自身を否定してることにもなりますよね。

花盛 モデル本人が気になっていて、「ここだけは、どうしても消してほしい」と言ったら消しますけど、それを言った子はいませんでしたね。
ある子から、「私の背中はニキビがいっぱいあったのに、全部レタッチしてくれたんですね」と言われたけど、その写真は一切修正をしていません。だから、「何にもしてないで。このままでキレイやねんで」と伝えました。
たしかに、写真を見るとニキビはあるんです。ただ、背中を全体的に見ると、女性らしくてすごく素敵で気にならない。

花盛 よく、太った人を太ったまま、本当にそのまま撮る作品もあるじゃないですか。ああいう表現も素晴らしいと思うんですけど、そんなにみんな自分を正面から見つめられないし、メンタル強くない。だから少しでも「私、キレイだな」って肯定できるところを探してあげたいんです。

花盛 私もそうやけど、人がキレイって言う場所と自分でいいと思う場所って違うじゃないですか。
自分が嫌いな部分をすぐに肯定するってすごく難しいけど、写真になることで「大丈夫かも」って思ってもらえたり、いつも見えていない部分を新しく好きになってもらえたら最高だなと。
絶対に誰でも女性らしいラインや素敵な部分を持っているから。

Text:小松田久美

<後編「女の子の『脱ぎたい欲』と『コンプレックス』について」は5月24日(水)に公開予定>

脱いでみた。

花盛 友里
ワニブックス
2017-05-08

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