迷いこんでしまった不思議の国
今回のやらない理由。テーマは「お金は欲しいが、働くのは嫌」だ。
前から思っていたが、この連載いきなりテーマが巨大すぎる。
初っ端から「人間が生きていく上で必ずぶち当たる矛盾」みたいなものばかり出てくる。
もっと「ウンコはしたいけどケツを拭くのは嫌」とか、矮小(わいしょう)なことから攻めてもらわないと絶対に息切れする。しかし、よく考えたらケツを拭くかどうかもでかい問題だ、逆にこれに比べたら全部小さく感じる。むしろケツにウンコがついている奴に「人生とは」みたいなことを考える資格はないような気がしてきた。つまり今回のアンサーは「ウンコするならケツは拭いたほうがいい」だ。
これでだいぶ「金は欲しいが働きたくない」などという矮小な悩みは消えたはずである。そもそも、働かずに暮らしたい、なんてほぼ皆思っている。
だが圧倒的過半数にもかかわらず未だ我が国には労働などというものが存在している、つまりこの国は「民主国家ではない」ということがわかる。だからと言って独裁国家かというとそれも違う、ほかの独裁国家だと、あの将軍様とか議長殿とか、具体的な顔が浮かぶものだが、日本はイマイチ誰がどのリーダーで何をしているのかも思い浮かばない。
つまり、民主でも独裁でもない謎国家である。謎国家であれば、皆が働きたくないと言っているのに働かなければいけない、という奇妙な出来事が起こってもなんら不思議ではない。よって、あなたも、あなたを今、口を極めて罵倒しているクレーマーのおっさんも、不思議の国に迷い込んだアリスである。
つまり、相手が金髪の少女と思えば許せるのでは、という話だ。
結局誰もが思っていることであり、ケツが二つに割れていることを悩むようなものなのだ、むしろ「好きな仕事さえできれば金なんていらない」などと言う奴のほうが、ケツが79個ぐらいに割れているのだ、もはや奇数である。