つらいキミたちに共感するよ」とか「デモに行けば社会が変わる」という話でもなく。

多彩な活躍を続ける東浩紀さんの渾身の書き下ろし『ゲンロン0 観光客の哲学』。東浩紀さんの著作としてははじめて「哲学」という名前がつけられた本書についてのインタビュー第3回は、「観光客」がどう振る舞えばいいのか、その原理である「郵便的マルチチュード」についてです。

当事者主義批判とデモ批判

— 前回は、「観光客」とは何者であるかというお話でした。当事者であることの多くは過去に過ぎ去り、「当事者だった観光客」が残るという。
 で、それを自覚した観光客としての私たちはどう振る舞うべきかというお話も『ゲンロン0 観光客の哲学』には書いてありますね。

東浩紀(以下、東) ええ。「郵便的マルチチュード」と名づけました。

— 「マルチチュード」については、そもそもの説明の後に、以下のように要約されていたのがわかりやすかったです。

マルチチュードとは要は反体制運動や市民運動のことだが、ただ、かつての運動とは異なりグローバルに広がった資本主義を否定しない。むしろその力を利用する。たとえば、インターネットによる情報収集や動員などを積極的に利用する。企業やメディアとも連携する。そして体制の内部からの変革を企てる。

『ゲンロン0 観光客の哲学』P142より抜粋

 この「マルチチュード」ではなぜダメなのでしょうか。

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著者20年の集大成、東思想の新展開を告げる渾身の書き下ろし新著

ゲンロン0 観光客の哲学

東 浩紀
株式会社ゲンロン
2017-04-08

この連載について

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東浩紀よ、どこへ行く

東浩紀

検索すればあらゆることがわかる時代。日々たくさんの情報に埋もれているけれど、果たして本当に欲しい情報はなんなのか。茫漠たるネットの時代において「かけがえのない生き方」を示した作家・思想家の東浩紀さんの新著『弱いつながり 検索ワードを探...もっと読む

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OTabedonEBI 今日デモが行われているそうで… https://t.co/IdLkg4ykv9 4ヶ月前 replyretweetfavorite

ejxfy26wje12f4e 「あとから振り替えると、それが連帯だったような「気がしてくる」。それを契機に社会問題に関心をもつ[…]一昨年の夏に流行したSEALDsのような運動は、ぼくには毎晩飲み会をやりつづけてる学生サークルのように見えたわけです」 https://t.co/RVYXUu85PZ 5ヶ月前 replyretweetfavorite

ejxfy26wje12f4e 「あとから振り替えると、それが連帯だったような「気がしてくる」。それを契機に社会問題に関心をもつ[…]一昨年の夏に流行したSEALDsのような運動は、ぼくには毎晩飲み会をやりつづけてる学生サークルのように見えたわけです」 https://t.co/RVYXUu85PZ 6ヶ月前 replyretweetfavorite

genroninfo 【メディア情報】cakesの『ゲンロン0』インタビュー、第4回が公開されました! 安倍昭恵問題からリベラルの構造的な問題点まで縦横無尽に語り尽くします→ テロの時代に「家族」をどうアップデートするか| 6ヶ月前 replyretweetfavorite