安藤美姫のタフさ

長年フィギュアスケート界を牽引してきた浅田真央が突然の引退発表をしました。雑誌やテレビが急遽彼女の特集を組み始めるほど衝撃的なニュースでしたが、そんな中度々登場したのが、彼女のライバルでもあった元フィギュアスケーターの安藤美姫。安藤美姫と浅田真央の比較から、フィギュアスケートというスポーツの受け止め方を考えます。

「トリプルアクセルに声をかける」問題

浅田真央の引退会見でNHKアナウンサーが投じた「あえてトリプルアクセルに声をかけられるとしたら、どんな言葉をかけたいですか?」との質問に批判が噴出したが、彼には「イイ感じの一言をゲットしたい」との欲求があったはずで、この質問に対して小倉智昭や坂上忍がキレたなんて記事を見かけると、おいおい、キミたちが日頃から欲してるやつじゃんか、とは思う。戸惑いながら「これまで一緒に頑張ってくれてありがとう」などと適当に返すと思いきや、浅田はトリプルアクセルの擬人化に乗っかった上で「なんでもっと簡単に飛ばせてくれないの、って感じ」と、アクロバティックに返答した。

どんな質問にも丁寧に答える浅田は、丁寧すぎるがゆえに攻撃性を持つことがある。ソチ五輪ショートプログラムで16位に終わった浅田に対し、森喜朗が「あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね」と発言すると国家総動員で批判が集中したが、その後のフリーの演技で持ち直して6位に入賞すると、浅田は記者会見で「森さんは今、少し後悔をしているのではないかなと思っています」と漏らした。丁寧だからこその強烈な苦言。その投げかけに対し「後悔はしていない」と更に重ねた森喜朗の不要な胆力。あれ、『嫌われる勇気』って森の著作だったっけ、と思わせる。

「おぼつかなさ」を愛でている
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武田砂鉄

365日四六時中休むことなく流れ続けているテレビ。あまりにも日常に入り込みすぎて、さも当たり前のようになってしったテレビの世界。でも、ふとした瞬間に感じる違和感、「これって本当に当たり前なんだっけ?」。その違和感を問いただすのが今回ス...もっと読む

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コメント

OsamubinLaden 「彼女自身、反感を買うことを自覚しており、その自覚を欠かさず提示することで反感の火を絶やさない、という屈強なスタイルを維持している」膝ポン止まらん  約2年前 replyretweetfavorite

chieri225 あぁ、私は好きだけどなぁ、ミキティ。ああいう女性アスリートがいるのもいいじゃんって思うし、滑りも好きだった。 約2年前 replyretweetfavorite

waterproofcandy  300年後くらいには、ミキみたいなタイプも受け入れられてるといいなと思う 約2年前 replyretweetfavorite