衣も食も住も、ゆるやかにつながる関係
前に紹介したシェアハウスのイベントで、ひととおりトークが終わって質疑応答の時間になり、ひとりの青年が手を挙げてこんな質問をしました。
「僕はいままでシェアハウスに住んでいたのですが、片付けができない性格なので、どうしても他の住人に掃除を頼ってしまっていました。これではだめだと思い、自立したくて1人暮らしをはじめました。ところが、逆に1人暮らしだと片付けなくても怒る人がいないので、余計にだめになっている気がします。どうすればいいんでしょうか」
青年といくつかことばをやりとりしてみると、明るい性格でムードメイカー的な人なんだということはよくわかりました。だからわたしは、こうアドバイスしました。
「ひとりでなんでもできることだけが自立じゃないと思います。社会の中で、自分の立場を自覚して役割を果たしていることも立派な自立なのです。自分にだめなところがあったら、そこは他の人に補完してもらい、代わりに別の部分で貢献すればいい。ムードメイカー的にシェアハウスを盛り上げることができていたのなら、それも立派な貢献だと思いますよ」
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