錬金

金? 権力? そんなのいらねえ

藤田優作。ベンチャー企業・ネクサスドアを28歳の若さで東証に上場させ、プロ野球球団とテレビ局を買収しようとした、若きカリスマ。そして、いわゆる”ネクサスドア事件”にて証券取引法違反の容疑で実刑を受けた、転落者――。酸いも甘いも噛み分けた彼は、大物実業家たちとの交流を通じて、本当の自由、何にもとらわれない真の自由を知った。自由な人間は、隣人をも自由にする。優作のエキサイティングな旅はまだはじまったばかりだ。ホリエモン小説、ついに最終回!
話題沸騰の書籍『錬金』を特別掲載いたします。

エピローグ

 1988年。秋葉原の駅前は、開発が進み、電気街に様変わりしつつあった。

 中央口を出て少し歩くと、オノデンの看板が待ち合わせの目印となっている。

 サトームセンや石丸電気など大手家電店は、店頭に新商品のビデオデッキとレーザーディスクプレイヤーを、ずらりと並べていた。

 時代は、オーディオビジュアル機器の全盛期。

 パソコンの人気は高まりつつあったが、カルチャーの中心にはやや遠く、まだ熱心な好事家たちのホビーに留まっていた。

 マクロソフトやMEC、大富士通など各社の魅力的なコンピューターたちは、秋葉原の一角で存在感を放ちながら、デジタル世代の子どもたちを育てていた。

 そして、来たるべきIT革命を、静かに待っていた。


 秋葉原駅に隣接するように、電気パーツの専門店が軒を連ねていた。平日の昼間から、電気工作が好きな若い客が詰めかけていた。

 専門店の並んでいる狭い通路を、ひとりの少年がすり抜けていく。

 高校1年生の、堀井健史だ。

 大通りに出ると、待っていたかのように、優作が立っていた。

 優作は堀井に向かって手を上げた。

 堀井はパッと笑顔になって、優作に駆けよった。

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PCで世界を変えたカリスマたちの痛快な、失敗と成功。実話に基づく、感動の青春小説!

錬金 (文芸書)

堀江貴文
徳間書店
2017-02-21

この連載について

初回を読む
錬金

堀江貴文

PC市場で世界の頂点に君臨しつつあった日本は、あと一歩のところでなぜアメリカに後れを取ったのか? IT革命前夜、世界を変えた常識破りのカリスマたちの痛快な、失敗と成功――。その全真相をノベライズ。 「心が自由になれば、金も権力も...もっと読む

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