第20回】アパレル最新事情—リアルとネットが覇を競う 最新技術による新・購買体験

いまや洋服もネットで買う時代。リアル店舗も旧態依然とした店構えではいられない。東京・原宿の「HUMOR SHOP by A-net(ユーモア・ショップ・バイ・エイ・ネット)」が導入している、AR(拡張現実)技術で試着を楽しめる「ARフィッティング」、ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」が開発したチームラボハンガーなどの最新システムを紹介。対して、ECサイト側でも新しい取り組みが生まれている。

いまどきの消費者は、楽しくなければ
わざわざリアル店舗に足を運ばない?

 鏡に見立てた60インチの大型モニターの前に立ち、iPadを改造したタッチパネル式の操作盤に触れながら好きな洋服を選ぶと、その洋服を着た自分自身の姿がモニターに映し出される。横を向いたり、手を上げたりすると、人の動きに合わせて洋服も伸び縮みしたり、裾が翻ったりと形を自在に変える。

 AR(拡張現実)技術で試着を楽しめる「ARフィッティング」のシステムが設置されているのは、東京・原宿のファッションビル「東急プラザ表参道原宿」にある「HUMOR SHOP by A-net(ユーモア・ショップ・バイ・エイ・ネット)」だ。昨年4月のオープン時には、順番待ちで長蛇の列ができた。

ARフィッティングはマイクロソフトの「Kinect」をベースに独自開発した。家庭用ゲーム機「Xbox360」を操作するために開発された技術だ。Photo by K.S.

 ARフィッティングで試着した画像をスマートフォンなどに簡単に転送できるため、フェイスブックやツイッターなどで口コミがどんどん広がっていき、それがまたショップに人を呼び込むという循環が生まれた。

 昨年11月、大阪市西区の地下鉄四ツ橋駅近くにオープンしたユーモア・ショップ2号店にもARフィッティングを設置。新しもの好きの関西人を喜ばせている。

 ユーモア・ショップというのは、「ZUCCa」「TSUMORI CHISATO」などのブランドを展開するエイ・ネットの公式通販サイト「ユーモア」の初のリアル店舗だ。「普段は別々にショップ展開しているエイ・ネット傘下の7ブランドを勢揃いさせたアンテナショップ的位置付け」と、エイ・ネットの蒲谷潔史取締役は説明する。

 エントリーユーザーを呼び込むために、「ショップを面白くする仕掛けをつくりたかった」(ユーモアを運営するエイ・ネット関連会社ウィットの大森恵取締役)ということだが、ARフィッティングはその狙いにばっちりはまったといえるだろう。

 いまや洋服もネットで買う時代。リアル店舗も旧態依然とした店構えではいられない。

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