私たちにかかった深い呪い
最近、ハッとしたことが2つありました。1つ目は、以前この連載で紹介した、ある在仏日本人の方に言われた 「他人に幸せにしてもらおうだなんてとんでもない!」という言葉です。
70年近く生きている彼女からすると、最近の若い人たちには「他人に幸せにしてもらう」ことを当然だと思っている人が多く見えるそうです。これには、客観的な視点で私たちの世代が批判されたようで、目が覚めたような思いがしました。
2つ目は、ある小説を読んでいたときのことです。登場人物の男性が、女性に向かって「僕が君を幸せにする!」なんて告白していました。この男女平等が広まっているように見える世界で、いまだにこんな「男が女を幸せにする」なんていう台詞が登場するんだ!と驚いてしまったのです。
この2つの出来事に共通しているのは 、私たちって「だれかに幸せにしてもらうのが当たり前」という呪いに、思いのほか深くかかっているんじゃないかと気づかされた点です。そして、この呪いが最も現れやすいのが「結婚」ではないかと思います。
どうしてこんな話をしているかというと、私自身、結婚をしてみたら「思ってたのと違う! こんなハズじゃなかったのに!」と、理想と現実のギャップに苦しむ体験があったからでした。
結婚生活のがっかりは、受け身の期待が原因
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